リーダーの『新規開拓』1-⑤(一章2、3「新規開拓と既存客営業の違いとは」

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第一章:新規開拓は、素晴らしい仕事!

(「1:【新規開拓ウェイ】。なにより"明るく元気!"」

「2:新規開拓と既存客営業は、こんなに違う!(前)

は前回前々回ブログをご覧ください。)

 

 <今回のブログの目次>

2:新規開拓は、既存客営業はこんなに違う!(後半)

「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」

【後半:営業部隊として】

3:新規開拓は、「作戦と組織」で決まる

―なぜ、新規開拓には『作戦』が必要になるのか。組織が大事なのか。―

―新規開拓「作戦」の考え方―

追伸:


 

2:新規開拓は、既存客営業はこんなに違う!(後半)

 

前回、『既存客営業と新規開拓の違い』について、営業担当者個人の活動方法から見た違いを説明しました。今回は、営業部隊から見た違いの説明から入りましょう。

 

前回参考:

『既存客営業と新規開拓活動の違いとは」(一枚解説シート)

   kizonkyakueigyou tosinkikaitakunotigaizu.docx

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「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」

□の欄に◎○△×のチェックをしてみて下さい。

【前半:営業活動として】

□①マーケット選定(ターゲットの選定と優先順位づけ) 

□②商談テーマ・ニーズと提案トーク

□③営業方法

□④会う人、キーマン

□⑤関係構築(顧客、社内外)

□⑥タイミング 

 

【後半:営業部隊として】

□⑦作戦の重要性

<既存客営業の場合>

◎単品単発商談が多く、個人としていかにスピーディに確実に対応していくかを求められる場合が多い。競合のいない独占商談が理想。

<新規開拓活動の場合>

◎単発単品商談で終わらせず、いかに次に繋げていくか。準備・新規取引から、継続拡大までの作戦ストーリーが重要になる。

・また、そこに競合は必ずいて、対抗策を事前に考えておかなければならない。

・商談プロセスも初期、中盤、終盤とメリハリをつけたステップを考えたい。課題を鮮明にして対策を予め検討し、プロセスを通して確実に実行できるようにしておくことが重要になる。

 

□⑧仕掛けしくみ 

<既存客営業の場合>

◎仕掛け仕組みがあることに越したことは無いが、無くとも日々の商談であれば営業担当者の頑張りで、どうにかなる場合も多い。

<新規開拓活動の場合>

◎マーケット全体と各見込み客に対する、効率効果的な仕掛けしくみが重要になる。

(販促・展示会などの見込み客の顕在化・集客の仕組み。早期に期待を与える仕掛け。継続化させるネットワークの仕組み。等・・)

 

□⑨組織対応

<既存客営業の場合> 

   ◎既存客毎の営業担当制になっている場合が多く、日常的な単品対応であれ

    ば、営業担当一人で対応する場合が多いだろう。 

<新規開拓活動の場合>

   ◎以上から個人営業を脱皮した、営業部隊、全社チームプレーが求められ

    る。

   ・技術・開発・物流・業務など新しい取引のためのスムーズな全社フォロ

    ー体制も重要だ

 

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【後半:営業部隊として】の補足説明です。

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⑦作戦の重要性

  ~単品単発商談から市場を押さえ、継続的な取引拡大へつなげる作戦展開~

・新規開拓は市場全体を対象として、その市場を攻略していく活動ですから、そこでは事業戦略を前提とした営業部隊としての作戦が必要になります。その作戦内容はワンパターンではなく、市場や提案内容、さらにはお客様の事情によって大きく異なることでしょう。

・また見込み客毎の活動としても、会社としての関係作りとなれば、その場限りの単発的な商談ではなく、ホップ(初期)、ステップ(中盤)、ジャンプ(終盤)と時間の経過に伴ってお客様との関係を深めていく商談プロセスの設計が大事になります。

・その場合、各プロセス上の場面毎にやるべきことを整理することは必要ですが、それだけでなくプロセスを確実にステップアップしていけるための課題を鮮明にした作戦が求められるでしょう。特に大型顧客を開拓する場合には、はじめはスポット的な扱いの関係からスタートしても、次にはより広く大きな関係を継続的に築いていく、中期的な展望をもった作戦シナリオが必要です。

・また新規開拓の場合、お客様にはほぼ間違いなく既存取引先として競合他社が存在します。そこで競合他社への対抗策が重要になる場合が多いのも新規開拓活動の特徴です。事前に競合他社を特定し、はっきりその競合他社を超えるメリット提案や対抗策をつくって競合取引先の新規開拓を一気に成功させる、といった作戦を組み立てることも考えなければなりません。

 

⑦仕掛けしくみ 

 ~新規開拓作戦を一気に進めるための仕掛けづくり~

 ・作戦と言っても一営業担当者だけの活動では限界があります。また個別案件をバラバラに追いかけているだけでは非効率になってしまうケースも多いでしょう。そこで多くの見込み客の商談を効果的にスピーディに進めることのできる、組織的な『仕組み、仕掛け』が大事になってきます。

   簡単なもので言うなら、独自で訴求力のあるサンプルや提案書といった開拓活動につかう道具づくりから、販促キャンペーン、デモ・展示会・見学会等といった販促の仕掛けなどが考えられるでしょう。

多くの見込み客を効率的に見つけ出し集客するための『仕組』、商談を一気に進める提案展示会等の『仕掛け』、トップ上位者を味方につける根回しのための『仕組』など、商談を進めるうえでの障害要因や課題を明確にし、その解決のための対策を考えるのです。様々なアイディアや工夫が出てくることでしょう。

 

⑨組織対応

 ~一人で戦うな!チームの総力戦だ!~

・既存客営業の場合は既存客毎の営業担当制になっている場合が多く、日常的な単品対応であれば、営業担当一人で対応するほうが効率的な場合も多いと思います。 

しかし新規開拓活動の場合、お客様の要求はますます高まっている一方で競合他社はより強力になっていますから、チームの総力を発揮して作戦を遂行することが、ますます大事になっているのです。

・その場合営業担当・リーダー・トップ・社内サポートといった営業部隊内で考えるチーム編成やチームプレーと、営業を超えた技術・開発・物流・業務など関連部門との全社的な運営体制とチームプレーが考えられるでしょう。

・新規開拓を通して新しい商品サービスや取引方法が求められることになる場合も多いため、それに臨機応変に対応できるスムーズな全社チームプレーもより重要になっています。そうした新しい全社チームプレーの優劣が新規開拓の成否を決める場合が増えているよう思いますし、そうした新たな全社的なチームプレー体制が会社を変革する大きな原動力になっている場合も多いよう思います。

・もし現在のところそうしたチームプレー体制が社内で十分には出来ていないとしても、実際の新規開拓活動の場面を通して臨機応変に協力しあうことが大事になります。

そこでのコーディネートは、営業担当者自身も当然意識して行動しなければなりませんが、まずは営業リーダーや営業部隊のトップの皆さんが前面に出てリードして進めていくべきでしょう。

組織体制運営方法、そして具体的な場面でのチームプレーのやり方の3つの視点での組織対応です。

 

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3:新規開拓は、「作戦と組織」で決まる

 

さて前章では、新規開拓がうまくいかない3番目の理由として「作戦(の欠如あるいは弱さ)と組織のあり方」を挙げました。この点は、前項でも既存客営業との違いの中で特に『営業部隊として』で説明しています。そこで、ここではなぜ作戦が必要になるのか、また作戦内容はどのように考えればいいかについて、(繰り返しになりますが、)あらためて確認することにとどめたいと思います。

 

―なぜ、新規開拓には『作戦』が必要になるのか。

                    組織が大事なのか。―

①「会社対会社」の関係構築が大前提である(から)

 ・そもそも新規に取引を始めるということは、お客様からするなら商品サービスの購入という以前に、会社としての関係を始めるということを意味します。だから営業担当者個人でなく会社組織として、お客様との多段階の関係作りが求められているということです。お客様の側にも一人ではなくさまざまな立場の人たちがいます。そうした様々な人たちとの関係を築いていかなければ、新たな取引は承認されないですし、深い信頼関係を築くことも出来ないでしょう。会社としての関係作りのために、「作戦」が必要になり「組織のあり方」の見直しが大事になっていると思って下さい。

 

②自社の強みを最大限活かし、最高のお客様満足を提供することをめざしてこそ、新規開拓に成功できる

多くのお客様は、もはや玄人化しておりより高い満足を求めています。その高い要求に答えなければ、新規に取引をしてもらうことはできないでしょう。今までにない素晴らしい満足を提供出来るようにしなければなりません。そのため営業担当者だけでなく、営業チームや営業部隊さらには技術部門や開発部門あるいは物流部門も含めた会社の総力を発揮して会社の強みを最大限活かすチームプレーが求められてきます。営業担当者が先頭に立って動くにしても、そのバックボーンには会社があり、きちんとその強みを発揮できるだけの体制と準備、さらにはそのための「作戦」が必要になるということです。

 

 ③会社として競合他社に対抗して、はっきり勝てる根拠と状態をつくらなければ、新規開拓に成功しない

   またお客様には既存の取引先となる強い競合他社がいることはほぼ間違いないでしょう。そうした競合他社にはない、より素晴らしい満足を提供できるとお客様から期待してもらえて初めて、新規取引に成功するのです。そこまでの期待を得るために、競合他社を意識してその対抗を図らなければなりません。ここでは、会社対会社の戦いを意味するということです。

 

 ④(新規開拓は)なにより事業戦略の一環としての市場攻略作戦である

   そしてなにより新規開拓とは、一営業担当者の思い付きの活動ではなく、会社にとって新たな魅力ある市場や分野を攻略するための戦略的な活動であるということです。ですから会社の事業戦略の一環として、より組織的効率的な活動を実現しなければなりません。そこに個人の精神力や根性論を超えて、自社の戦略的な「作戦」の練り上げが必要になることは、間違いないことでしょう。

 

―新規開拓「作戦」の考え方―

 

「作戦」と一口で言っても、人によってイメージは異なります。新規開拓においては、いろいろな考え方の個別「作戦」が考えられるでしょう。

 →どんな市場にどこから攻めて突破口を開くか、という「マーケティング作戦」 

 →どんな顧客にどんな魅力ある提案をして新規開拓を進めるか、という「提案作戦」

 →どんな商談プロセスを組み立てて商談を成功に導き、さらに取引関係を広げていくのか、という「商談作戦」

 →どんな仕掛け仕組みを作り大きな成果をものにするのか、

                        という「仕掛け仕組み作戦」

 →どんな組織的な連携をとってチームで戦うのか、という「チーム作戦」

 

こうした個別「作戦」を一連の統合化された戦略作戦として組み立て実行して行け

るようすること。それが新規開拓を成功させるためには何より重要と思って下さ

い。

 

                                    

 

追伸:

 まったくの私事ですが、長年の友人が8月16日12時08分に亡くなりました。ご存知の方もいるかと思いますが、著作権の切れた文学作品を中心に、インターネットで無料で閲覧できる電子図書館サイト『青空文庫』を創設した富田倫生さんです。彼とは学生時代から同じクラスのメンバー約9名とともに親しく交流しており、亡くなる6日前、元気だった最後の日の病床で、彼から『青空文庫』に対する思いもあらためて聞くことが出来ました。

彼は20代から30代にかけて科学系のライターとして活動していて、まさにこれから飛躍していくはずの38歳でC型肝炎が発症したのです。その時医者には、余命3年程度と言われたそうです。そこでその余命で自分に何ができるかと考えて、思いついたのが『青空文庫』だったと聞いています。その後病がどんどん進行する相当につらい闘病生活の中で『青空文庫』をここまで発展させてきた彼の思いと執念に、あらためて深く敬服するとともに、その思いが次の発展に必ずやつながってほしいし、つながっていくはずと私は思っています。

彼の思いを私が代弁するのは差し控えたいと思いますが、ネットを調べていて、彼の思いが現れている対談がありましたので、それを(独断で)掲載したいと思います。

 

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『青空文庫』という名前は、どういう意味合いを込めて命名されたんでしょう。

以前、『本の未来』って本を書いたんですけどね。インターネットや電子本の台頭で、

本というのは一体どうなっていくんだろうっていう内容で。その前書きに詩のような

ものを書いたんですよ。ああ、本を読みたいなあと思ったとき、あの人の書いたもの

に触れてみたいと思ったとき、そういう気持ちがその人の心に芽生えたら、青空を

見上げるように────空の温もりだとか暖かい日差しだとかは、身分や収入、性別とか

老い若いにかかわらず、天からの恵みのように受け取ることができる────そんな風に、

手に取ることができたらいいなと。読みたいという気持ちが芽生えたときに、世界中

のどこでも、ふと青空を見上げれば本がそこに開かれる。そういう環境ができれば

素晴らしいと。



 

いい内容ですね。

     先人たちがたくさん書き残してくれた文字の表現、小説だとか評論だとか論とか、そういうものは読みたいと思ったときに、与えられて然るべきだし、そういう社会環境を用意する準備が、我々の文明にはすでに整ったと。成熟した社会では、こういう甘い希望だとか理想が力を持つ局面があるんですよ。綺麗事なんだけど、その実現に向かってやってみる価値はある。そんな経緯で『青空文庫』という名前になったんです。・・・・

 

  

我々は『青空文庫』というプロジェクトを、社会の大地の上に木を育てて行く

ようなことだと考えています。インターネットを介して世界のどこかからでも

見られるというところから始まって、視覚障害を持つ方のためにテキスト読み

上げソフトを使った枝も伸びる、弱視の方ために大きな字で見られる枝も伸びる、

そのうち携帯電話という枝が伸び始めて、と色んな方向に伸びて行ってる訳です

よね。これらの無償のプロジェクトの他に、ビジネスとしてのプロジェクトが

いくつか出始めています。今回は任天堂という強力なチームが、青空文庫のアー

カイブをこういう風に共有できるようにしてくれた。私たちは無料でやってい

ますが、それではできないこともいっぱいあります。色んな工夫を付け加えたり、

特殊な環境に作り込んだりっていうことの価値が、そこにはありますから。

この世界は、ビジネスで回ってることが大半なんですよね。・・・

 

  「青空文庫、富田倫生氏インタビュー」

http://www.nintendo.co.jp/nom/0710/p2/index.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

彼の写真は朝日新聞他よく出回っていて、かなり若い感じで61歳には見えないと思いますが、実際の彼も、本当に若い雰囲気のままで、亡くなった遺体の素顔も多分30代末の病を発症した時と、ほとんど変わらないままではなかったかと思います。強い使命感を持った人間は年を取らない・・・とあらためて思います。

私も富田の「つめの垢」を煎じて飲むことにしましょう。富田の遺志を継いで、『青空文庫』がさらに大きく飛躍していくことを期待したいと思います。

 

(本文と全く関係ない話で、すみませんでした。ブログですので、ご容赦下さい。)

 

                                                                          以上


参考ブログ:

・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」

     http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html


尚、2013年9月18日(水)10:00~16:45

りそな総研にて「新規開拓を絶対成功させる!やりかたはこれだ!」セミナー

を予定しています。ふるってのご参加をお待ちしています。

https://www2.rri.co.jp/seminar/tokyo/pdf/13-09-07.pdf


 追伸:

新規開拓のやり方や困っていることへの質問をお待ちしています。

当ブログへの感想やご質問でも結構です。

弊社ホームページの質問欄にご記入ください。

 

 CBC総研のホームページ


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㈱クリエイティブビジネスコンサルタンツ 総合経営研究所

(略称:CBC総研)

代表取締役 山川 裕正

 

住所:東京都千代田区神田佐久間町2-25第二千代田ビル3F

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メール:mail@cbc-souken.co.jp

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このブログ記事について

このページは、CBC総研が2013年8月24日 12:03に書いたブログ記事です。

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