第一章:新規開拓は、素晴らしい仕事!
(「1:【新規開拓ウェイ】。なにより"明るく元気!"」は前回ブログをご覧ください。)
2:新規開拓は、既存客営業とこんなに違う!(前半)
さて新規開拓を前向きにとらえてスタートしても、次に大きな壁があることに気づきます。それは新規開拓活動に求められるやり方が、これまでの既存客営業の場合と大きく違うということです。そのことをいくら頭でわかっていても、実際やってみるまでは実感するのは難しいのかもしれません。
その違いは次の通りです。こうして一覧表にしてみると、項目一つ一つが新規開拓の大事な成功ポイントになっていることがわかります。そのポイントをしっかり理解して、これまでの既存客営業のやり方を切り替えていきましょう。その切り替えがうまく出来なければ、いくら頑張っても新規開拓に成功することは難しいのです。
「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」
【前半:営業活動として】
□①マーケット選定(ターゲットの選定と優先順位づけ)
□②商談テーマ・ニーズと提案トーク
□③営業方法
□④会う人、キーマン
□⑤関係構築(顧客、社内外)
□⑥タイミング
【後半:営業部隊として】
□⑦作戦の重要性
□⑧仕掛けしくみ
□⑨組織対応
【宿題②】:
<「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」の補足説明(前半)>
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「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」
□の欄に◎○△×のチェックをしてみて下さい。
【前半:営業活動として】
□①マーケット選定(ターゲットの選定と優先順位づけ)
<既存客営業の場合>
◎顧客は決まっているため、その中での商談案件の優先順位をつけるだけでいい。
<新規開拓活動の場合>
◎どこを狙うか。全体マーケットを見渡した上、的確なターゲット顧客を選
別し、優先順位をつける必要がある。そのための事前準備とテストマーケテ
ィングが重要。
特に「聞き込み」がより大事になる。
□②商談テーマ・ニーズと提案トーク
<既存客営業の場合>
◎お客様には、あらかじめ具体的なニーズがある。商談テーマも決まっていることが多い。その引き合いを優先的にもらうのが営業の主な仕事である。
<新規開拓活動の場合>
◎お客様の強い関心を引き、ニーズを引き出す鮮明な切り口の提案テーマが必要。
そのため常に仮説を立て、トーク、殺し文句を磨くことが求められてくる。
・一方で当社に対して大きな期待を抱いてもらえるような説明も大事になる。
□③営業方法
<既存客営業の場合>
◎日頃の信頼関係づくりが大事。お客様の状況と要求にあわせて柔軟に粘り強く対応して、見切られないようにする。
<新規開拓活動の場合>
◎一回一回が勝負、集中力が求められる。特に初回5分及び初期商談の進め方が重要になる。
一方、3回での見切り見極めも必要となる。
(進める、ペンディング・定期フォロー、見切りの区分)
□④会う人、キーマン
<既存客営業の場合>
◎日頃は、窓口担当者中心に一対一の対応が大半である。
<新規開拓活動の場合>
◎初回で誰に会うかが大事。トップキーマンを押さえることも重要になる。さらに影響力のある上・中・下、いずれの立場の人とも会い、根回しすること。(場面毎キーマンは異なる)
・一方で、お客様窓口担当者も早急に味方につけ、有効情報をもらうとか、いざという時の協力を得られるようにする
□⑤関係構築(顧客、社内外)
<既存客営業の場合>
◎同様に日頃の窓口担当者との関係を徐々に広げていくことが重要になる。
<新規開拓活動の場合>
◎会社対会社の関係作りが大事になる。会社の信頼(説明)も大事になる。
・単品や価格訴求だけの商談で終わっては、新規取引は続かない!
新たに取引するだけの価値ある会社と信用してもらう。
(将来への大きな期待を抱かせる。)
□⑥タイミング
<既存客営業の場合>
◎多くの場合、お客様の方から引き合いが来るため、営業の方では受け身なりや
すく、自分からタイミングを図る意識が薄くなりやすい。
<新規開拓活動の場合>
◎方針・計画・実行の顧客のスケジュール全体をおさえる
(先行提案、上流営業・・)。
出来れば、方針・計画(前)段階から入りたい。
【後半:営業部隊として】
□⑦作戦の重要性
<既存客営業の場合>
◎単品単発商談が多く、営業個人としていかにスピーディに確実に対応していくかを求められる場合が多い。競合のいない独占商談が理想。
<新規開拓活動の場合>
◎単発単品商談で終わらせず、いかに次に繋げていくか。準備・新規取引から、継続拡大までの作戦ストーリーが重要になる。
・また、そこに競合は必ずいて、対抗策を事前に考えておかなければならない。
・商談プロセスも初期、中盤、終盤とメリハリをつけたステップを考えたい。課題を鮮明にして対策を予め検討し、プロセスを通して確実に実行できるようにしておくことが重要になる。
□⑧仕掛けしくみ
<既存客営業の場合>
◎仕掛け仕組みがあることに越したことは無いが、無くとも日々の商談であれば営業担当者の頑張りで、どうにかなる場合も多い。
<新規開拓活動の場合>
◎マーケット全体と各見込み客に対する、効率効果的な仕掛けしくみが
重要になる。
(販促・展示会などの見込み客の顕在化・集客の仕組み。早期に期待を与える仕掛け。継続化させるネットワークの仕組み。等・・)
□⑨組織対応
<既存客営業の場合>
◎既存客毎の営業担当制になっている場合が多く、日常的な単品対応であれ
ば、営業担当一人で対応する場合が多いだろう。
<新規開拓活動の場合>
◎以上から個人営業を脱皮した、営業部隊、全社チームプレーが求められ
る。
・技術・開発・物流・業務など新しい取引のためのスムーズな全社フォロ
ー体制も重要だ。
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【宿題②】:
ここでもリーダーとともに新規開拓に参加する営業担当者の皆さん一人ひとりが、上記項目一つ一つをチェックしてみてください。そしてその違いをみんなで一緒に議論しながら、鮮明な新規開拓の活動イメージを共有できるようにしましょう。それはそのままその後の新規開拓の作戦立案とその共有に役立つことでしょう。
(※もはや新規開拓活動を本格的に始めているならば・・・
営業担当者の皆さんには、現在の自分の活動を振り返って一つ一つの項目を◎○△×チェックし、△×がついた弱いと思われる項目を洗い出しましょう。そしてその弱点を克服するための行動対策を整理してみてください。その上でみんなの前でお互い発表しあいアドバイスをもらったうえ、これからどうすればよいか、みんなで議論し合うのです。
本人は◎か○と思って出来ていると思っていたのが、実際は出来ていなかったという場合も多いのですが、その点は上司であるリーダーの皆さんから指摘してあげてください。むしろそうした自分が気づいていない弱点こそ、失敗の大きな原因になっている場合も多く改善効果が大きいものです。)
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・ここで「既存客営業と新規開拓活動との違い」の各項目についての補足説明をしたいと思います。まずは、「前半:営業活動として」についてです。
<「既存客営業と新規開拓活動との違いとは」
の補足説明(前半)>
①マーケットの選定(ターゲットの選定と優先順位の重要性)
~狙いを定めよ!新規開拓は仮説検証のマーケティング活動である~
・既存客営業であれば顧客は決まっていますし商談案件も予測がつく場合が多いので、顧客を選ぶとか優先順位をつけるということを考えなくて良い場合も多いでしょう。しかし新規開拓となれば、そうはいきません。
・新規開拓は未知の世界へのチャレンジですから、出来るだけ可能性のある見込み客をスピーディに見つけることが重要になります。まず市場全体を把握して狙うべき市場をより的確に決めなければなりません。その上で対象となる見込み客をすべて洗い出し一件毎リストアップした上、優先順位をつけるのです。
思いつく可能性の低い顧客ばかりにアプローチしてしまい、うまくいかずにすぐ新規開拓を諦めてしまうといったケースも時々見受けます。どの見込み客からアプローチするのか、その優先順位も新規開拓を成功させる大事なポイントと思って下さい。
・そうなると事前の市場調査があらためて重要ということになります。まずは全体の市場を一次資料で把握し分析したうえ、ある程度狙いをつけて個々の市場状況や見込み客を調べます。実際アプローチしやすい何軒かの見込み客にテストマーケティングしてみるのもいいでしょう。既存客への新規提案によるテストマーケティングから始めることも十分考えられます。本格的な新規開拓活動に入るのは、その後です。
~「聞き込み」をノウハウ化する!~
・また本格的な新規開拓活動に入っても、提案内容はあくまで仮説ですから、常にテストマーケティングであるという考えを持つことが大事です。そう考えれば、新規開拓では提案とともに市場(=お客様の事情とニーズ)調査としての「聞き込み」がとても大事になることがわかります。その聞き込み方法をノウハウ化するのです。
②商談テーマと提案トーク
~「新しい切り口・コンセプト」をトークとして、磨きあげる!~
・既存客営業であればお客様のニーズは顕在化しており、引き合い対応が中心です。こちらから提案する場合でも、日頃の人間関係からじっくり時間を掛けて行うことが出来ますし、ニーズのズレがあっても提案後に調整することも可能な場合が多いでしょう。
・ところが新規開拓ではお客様にはじめて会うだけに、相手のお客様にピッタリ合った魅力ある提案と思われなければ、すぐに断られそこで商談は終わってしまいます。ですからはじめての場面でお客様に提案するテーマと内容は決定的に重要です。
さらにその内容をどのように説得力もってお客様に提案するのか、提案方法まで事前に入念に検討しなければなりません。提案書や資料類の準備も重要ですが、特に営業担当者のお客様を思う心を込めたトークが何よりの決め手となるでしょう。
~商品ではなく、「お客様の事情」をネタにする!~
・また商品ばかりを強調しても説得力は生まれません。新規開拓の場合、これまでお客様との関係がなかっただけに、お客様に共感しお客様の事情にあった提案であることを実感してもらうことが大事なポイントです。ですから提案の前にお客様の事情を確認すべしということになります。先ほど市場調査として「聞き込み」が大事と言いましたが、提案に説得力をもたせるためにも「聞き込み」がより大事になるということがわかるでしょう。
~当社に期待を抱かせる会社の紹介が大前提!~
・一方で、当社に対して大きな期待を抱いてもらえるような説明も大事になります。実際の提案の流れとしては、むしろ各論提案の前に、当社の事業紹介と言う流れになるでしょう。ここでも、一通りの説明ではなく、営業担当者の自社に対する『自信と信念』を持った、簡潔な話し方が大事になると思って下さい。
③営業方法
~初回訪問、一分、一秒の集中力と瞬発力を磨け!~
・既存客営業は、なんといっても「粘り腰」。営業担当者は日頃のきめ細やかで誠実な動きの中でお客様の信頼を勝ち得ていくことが大事です。
一方新規開拓では、初めてのお客様だけにお客様からはほんの一瞬の些細な言動によって、営業担当者や提案内容を評価されてしまいやすいものです。営業担当者としては、出来るだけ早い段階で信頼してもらえる関係を築かなければなりません。
そのため新規開拓では、既存客営業と比べてはるかに臨機応変な対応力や瞬発力が求められることになります。特に初回商談の場面では、はじめの5分が勝負と思っていいでしょう。何より一分、一秒の集中力と瞬発力を磨くことが大事になっています。
~大から中、中から小へ。大きな話で巻き込み、絞り込む(商談ストーリーの設計)~
・一方お客様には警戒心があるだけに、すぐに各論提案をしても新規開拓ではうまくいかない場合が多いと思って下さい。
そこではじめはこれまでの実績から自社のビジョンを紹介する大きな話から入ることで、徐々にお客様の警戒心を解いて交流を図っていきます。次に、お客様の事情を聞き出し確認しながら話を絞り込んでいき、タイミングを見て各論提案にはいる、という段取りになります。こうした商談を進めるストーリーをしっかり設計する。それが新規開拓の初回、初期訪問の鉄則と思って下さい。
~実践教育が何より大事~
・そこでは提案トークだけでなくお客様との具体的なやりとりの仕方も重要になります。ほんの瞬間のお客様の反応を見たトークや聞き込み、応酬話法等。新規開拓においては、そうした臨機応変な対応力をつける教育訓練がとても重要になるのです。例えば事前に商談場面を想定した実践的な営業ロールプレイング訓練は新規開拓では特に有効でしょう。
~「見切り見極め」の勇気とノウハウを身に着ける!~
・また既存客営業では、お客様から見切られないようにすることが大事ですが、新規開拓では、お客様の見込み度が未知数であるだけに営業担当者の『見切り見極め』がむしろ重要になります。新規開拓で大きな成果を上げている営業担当者とそうでもない営業担当者の差は、お客様や提案テーマの見切り見極めが、メリハリつけて的確に出来ているかどうかの違いが大きいものです。
・開拓の可能性や取引規模の少ない見込み客と思えたなら、商談回数1~3回程度の早い段階で見切って、より成果の上がると思われる見込み客にシフトすべきでしょう。あるいは提案したテーマが合わないと思ったら、すぐに違うテーマに切り替える臨機応変さも大事です。そうしたことが苦手な営業担当者の場合は、上司の営業リーダーが代わって判断し見切り見極めを促してあげるのです。
・また見込み度や期待成果の大きさで、見込み客をランク分けするのは新規開拓の定石と思って下さい。ランク分けのうち今後の行動対策については「進める、ペンディング・定期フォロー、見切り」の区分が考えられます。ペンディングの場合なら、いつからアプローチを再開するのか、期限を決めること。定期フォローなら、その仕組みを作って漏れずに実施できるようにすることがポイントです。
④会う人、キーマン
~複合的にキーマンを押さえる!~
・既存客営業であれば、時間や労力をあまり掛けずに、いつもの窓口担当者やせいぜい案件テーマの関係者と言った限られた人達との商談で済むことが多いでしょう。
・しかし新規開拓となったらそうはいきません。はじめに会った窓口担当者だけでなく、様々な関係者への根回しが必要になります。使う人、管理する人、購入を検討する人、購入を決定する人、その決定に影響(承認)を与える人・・・ぞれぞれのキーマンを押さえなければなりません。
・特に法人相手であるなら会社対会社の関係づくりとして、トップキーマンや関係役員と言った広く関連する部門の上位の影響者との関係づくりがより重要です。組織図を作り、各セクションのキーマンを出来るだけ確認し事前にアプローチしておく、といったことも大事でしょう。
・また提案内容によっては、はじめにお会いするキーマンが大事になる場合もあります。会う人の順番を間違えたら、商談は進みません。その場合は出来るだけ事前に的確なキーマン情報を得ておくことも大事になります。もし誤った担当者にあって商談が進まなくなったら、いったんその商談を切り上げることも時に必要でしょう。
・新規開拓で途中まではうまくいっているつもりなのに最終的に成約出来ないのは、この見えない影の関係キーマンへの根回し不足が原因の場合が意外に多いのです。是非気をつけたいと思います。
・そのためにも、お客様窓口担当者を味方につけて、大事なお客様情報をいただくとか、いざという時に協力をもらえるよう心掛けたいと思います。逆に窓口担当者との関係がうまくいかないなら、新規開拓の成功確率はかなり低くなってしまうと思ったほうがいいでしょう。(この点は、次の項目でも挙げました。)
⑤関係構築
~お客様を巻き込み、社内外を巻き込む~
・既存客営業では、もはや信頼関係が出来ていることが前提です。ですから今の商談案件の獲得だけに集中すればいい。その結果、日々の商談案件を通した信頼関係がつみ重ねていくということになります。
・ところが新規開拓となったら、そうはいきません。会社対会社の関係作りが必要です。個別案件の商談を進めると同時に、お客様との組織的な関係作りも進めなければなりません。まずはお客様窓口との信頼関係作りです。例え重要なキーマンとは思えなくとも、単なる窓口対応の関係から営業担当者の味方になってもらえるまでの親しい関係に高めていくのです。
・また商品以前に会社への信頼を得ることも重要です。特に法人企業相手では取引を始めるにあたって、相手企業の多くの関係者の了承をとらなければ口座開設を成功させることはできません。営業担当者は、ゼロからお客様と上司や関係部門、さらには会社トップ同士の関係作りのコーディネートをしなければならないのです。
・その際大事なことは、当社を新たに取引するだけの価値ある会社と信用してもらう、ということです。当社との取引によって得られる将来への大きな期待をいかに抱いてもらえるかどうか、と言っていいでしょう。単品や価格訴求だけの商談で終わっては、新規取引は続かない!と思って下さい。
⑥タイミング
~タイミングが合わなければ、すべてゼロ!~
・意外に、このタイミングの重要性に気が付いていない人は多いようです。既存客営業では、相手先からの引き合いが多いし、相手先のほうでスケジュールを考えてリードしてくれることが多いからでしょう。
・ところが新規開拓の場合タイミングが合わないならば潜在ニーズがあっても、全くないかのように捉えられてしまうことになります。実際有望な見込み客にアプローチしたにもかかわらず、タイミングが合わなかったためにけんもほろろの反応をされて、「見込みなし」と勘違いしてしまったという失敗例は多いのです。
・新規開拓の場合、お客様の情報が少ないだけに、個別案件ごとのお客様の方針・計画・実行の全体スケジュールをおさえることがとても重要です。その上で、タイミングをとらえてアプローチするのですが、出来れば、初期の方針・計画(前)段階から入るというのが理想でしょう。(先行提案、上流営業・・)そう考えれば、あらためて新規開拓では、比較的早い段階のうちにトップキーマンへのアプローチが大事なことがわかります。
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ここまでが営業担当者個人の営業活動にあてはまる、新規開拓活動の既存客営業との違いです。もちろん営業担当者個人の活動と言っても、営業リーダーの皆さんがその動きをしっかり見守って、的確な指導やアドバイス、あるいは実行支援をしてこそ、うまくいくと思って下さい。
但し、新規開拓と既存客営業の違いは、営業個人の活動だけに限りません。営業部隊の作戦や組織のあり方からみた違いもより大きいものと思います。だからこそ、新規開拓活動においては、特に営業リーダーの役割が大きいのです。
次に営業部隊としての違いも見ていきましょう。
次回ブログに続く・・・
追伸:
奇しくもこのブログを初登録する本日は2013年8月15日、太平洋戦争の終戦記念日です。そこで、ちょっと話がそれますが・・・
私は日本と言う国が大好きであり、愛国心はしっかり持っている、という自負はあります。
そんな私にとって、最も気になるのは、日本人の精神性をあまりに重視することによるマイナス面です。『失敗の本質』(野中郁次郎他)や『日本はなぜ敗れるのか(敗因21か条)』(山本七平)はじめ、多くの戦争中の日本軍の行動を振り返るなら、あまりに非合理的自己都合(それも上からの一方的強制による)によって、無残で悲惨な状況が引き起こされてしまったことは明らかでしょう。『神風が吹いて、日本は必ず勝つ!』と最後まで本気で思っていた者が、軍部の上層部の人達にこそ多くいたようです。
精神性は何より大事です。しかしそこに理想をもつ一方で現実を冷静に見据えて分析する心が無ければ、単なる狂信に過ぎず、求めた結果を実現することは難しいことでしょう。
こうした精神性ばかり頼って現実を見ようとしない傾向や上位統率者の無責任性は、日本の精神風土の弱点として、あらためて深く反省しなければならないよう思います。
現在日本のビジネス環境が厳しくなりつつある中、そんな日本の精神風土の弱点が何か顕在化してきているようにも思えます。経営者役員陣の保守化・内向き志向、パワーハラスメントやブラック企業の横行・・。新規開拓も、縮小市場になって精神論がより強くなっているのではないでしょうか。
特攻隊で戦争に勝利できるわけがなく、むしろ敗戦を決定づけただけと言うのが、歴史の真実です。我々は、今一度日本と言う国の素晴らしさ・強みこだわり、自社の強みこだわりを振り返るべきでしょう。愛国心、愛社精神が何より大事であることは間違いありません。その上で冷静に外部環境を分析しながら『戦略作戦』を練り上げ、リーダー自らが率先して新規開拓、新規事業を進めていく。それが求められているよう思います。
以上
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
尚、2013年9月18日(水)10:00~16:45
りそな総研にて「新規開拓を絶対成功させる!やりかたはこれだ!」セミナー
を予定しています。ふるってのご参加をお待ちしています。
https://www2.rri.co.jp/seminar/tokyo/pdf/13-09-07.pdf
追伸:
新規開拓のやり方や困っていることへの質問をお待ちしています。
当ブログへの感想やご質問でも結構です。
弊社ホームページの質問欄にご記入ください。
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㈱クリエイティブビジネスコンサルタンツ 総合経営研究所
(略称:CBC総研)
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住所:東京都千代田区神田佐久間町2-25第二千代田ビル3F
FAX:03-5835-2072
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