2013年7月アーカイブ

トップ・リーダーのための「新規開拓」(営業活動、営業組織、実践研修)1-①

 

はじめに:

 

―新規開拓はリーダーを飛躍させ、会社を飛躍させる!―

 

 新規開拓についての書籍は巷に多くありますが、大半は営業担当者向けであり、営業トップやリーダーのためのものはほとんど見当たりません。ところが実際に新規開拓に成功するためには、営業担当者個人の意欲や能力以上に、会社としての準備・体制づくりや営業リーダーのリーダーシップのほうが、よほど重要です。特に市場の成熟化縮小化がどんどん進んで企業間競争がより激化している現在、なおさらそうした状況が進んでいると言っていいでしょう。

 また日本のビジネス環境の激変に伴って、新規開拓のやり方自体も大きく変わってきています。

 そこで今回、トップやリーダーの皆さんを対象に「成功する『新規開拓』の進め方」について解説していきたいと思います。もちろん、部下である営業担当の皆さんが読まれても十分参考になるものです。

 新規開拓は、営業部隊が単に業績アップをめざすためだけの手段ではありません。新しい時代へ向けて、会社が変革し飛躍するための手段であり絶対条件になっていると思います。新しい環境・新しい市場に向かってチャレンジするからこそ、会社は過去のしがらみを捨てて変わることができ、未来へ向けた飛躍ができるのです。リーダーの皆さんが飛躍するからこそ、会社も飛躍できると言ってもいいでしょう。

 

これから解説する内容は、営業最前線での具体的なやり方になりますから、少々細部にわたり、とがった話が多くなるかもしれません。しかし、それは実際の成果を出すためのものであり、そこから営業部隊全体や会社全体の変革につながることが多いと思いますので、じっくり読み込んでいただければと思います。

その上でトップやリーダーの皆さんだけでなく、部下の営業担当者や関連する部門の皆さんとも一緒に議論していただき、私の解説した内容を超えて、自社独自の新しいノウハウの構築と共有を進めていただければと思っています。

 

私のこれまでのコンサルティング経験をもとに、「マトリックス営業戦略」という実践的な戦略・作戦モデルを取りいれていますが、実際に成果を上げるための手段として活用して下さい。

新規開拓に成功している営業部隊や営業担当者にとっては当たり前に見えても、多くの営業部隊や営業担当者がほとんど気付いていない、今までにないやり方のノウハウや考え方を満載したいと思います。

このブログが、皆さんの営業部隊の新規開拓活動に少しでもお役に立ち、それが"日本の元気、日本の変革"に少しでも、つながれば幸いです。

 

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 『見習い、並(合格)、模範』

階層毎に区分けした営業評価制度の事例

 ~「成果主義で評価制度を改革した

老舗企業Q社の成功事例」

(一部修正)~

<営業組織の人事評価制度のポイント>

  ①営業階層の区分け

②階層ごとの役割と評価内容の明確化

③階層毎に、「見習い」「並(合格)」「模範」のレベル設定

④2年間程度の間隔の昇格を標準コースとして想定。

⑤現在の実力と求めるレベルのギャップの明確化

⑥2年間での実力中心の組織編制への移行

⑦降格制度の明確化

 

 

「社長!儲かる営業に変えましょう 第4章:評価制度を改革して会社を『儲ける体質』に変える」より一部追加修正。

これまで、営業の成果主義の評価制度について、6つの失敗要因と9つの成功ポイントについて解説してきました。今回はその最後の成功ポイントである『幹部・上位者に厳しい評価制度にする』と言うポイントに関して、よく見受けられる"大罪"を4つ挙げて解説しましょう。少々辛辣な文章になっていますが、ほんとによく見受けられる"大罪"であり、それが会社の活力をそぎ、時には衰退の道を歩ませる原因にもなっている場合が多いのです。

社長さんはじめ幹部の皆さんにも、よくよく気を付けていただきたいと思います。

 

「社長!儲かる営業に変えましょう。 

第4章:評価制度を改革して会社を『儲ける体質』に変える」より一部修正

 

幹部人事で社長が犯す4つの大罪

こんな幹部人事は会社をダメにする―

―社長は『鬼の上司』に騙されるな―

※「社長は、社長の意向ばかり気にする『平目リーダー』に気をつけよ!」

―営業幹部社員に求められる6つの役割―

<幹部人材への評価方法として>

 

前回前々回と、営業の成果主義の評価制度に関して、評価制度改革を成功させるポイントの9つのうち①②③、④⑤⑥の3つの項目について解説しました。今回は残りのポイント⑦⑧⑨の3つについて解説しましょう。

 

 <営業の評価制度改革を成功させる9つのポイント>

トップ(社長)自ら評価制度改革の目的を全社員に明確に示す

「実力」「成果」をはっきり区分けしたシンプルな評価制度を導入する

「マトリックス営業戦略、4つの領域」をコンピテンシー(成果の出る仕事の やり方)にあてはめて、自社の営業活動にあった実力、成果の制度をつくる

④役割階層については、その役割の違いにあわせて大きくシンプルに区分し、そ れぞれに求められる役割と成果を明確にする。さらに階層ごとに、「見習い」「合格」「模範」の区分をし、昇格・降格が柔軟にできるようにする

⑤成果のうち業績成果は、「運」「環境」「自力獲得」の区分けをはっきりさせ、評価のウェイトでは「自力獲得」を重視する

⑥数値以外の成果の評価として、能力の向上チームプレーへの貢献度を入れ、デジタルな尺度を決める

事前のシミュレーションを重視し、イレギュラーケースごとの評価の方針と基準となるルールを明確にする

臨機応変な報奨制度を導入し、営業改革のきっかけとする

(一般社員以上に)幹部・上位者に役割と成果を厳しく問う制度とする

 

⑦事前のシミュレーションを重視し、イレギュラーケースごとの評価の方針と基準となるルールを明確にする

⑧臨機応変に『報奨制度』を導入し営業改革のきっかけとする

<報奨制度導入の進め方>

⑨幹部・上位者に役割と成果を厳しく問う制度とする

※参考:

 <業績評価シミュレーションで考慮したい『イレギュラー事項』への対応案>

 

「社長!儲かる営業に変えましょう。 

第4章:評価制度を改革して会社を『儲ける体質』に変える」より一部追加、修正