これから繁栄する企業のあり方①

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アベノ黒田ミックスで、ようやく日本の経済状況もデフレ一辺倒から脱しつつあります。デフレの一番の問題は、これまでの資産を守っていることが一番いいとなって、みんなの意識が過去思考、安全志向の、後ろ向きな姿勢になりやすいこと。新しいことにはなかなかチャレンジできずに、縮まってしまって価格競争に陥り、じりじり落ちていた、という企業も多かったのでないかと思います。

そんな状況から脱しつつあるのは確かでしょう。しかし、そこからどうすべきか、わからない、というのも、多くの企業の実態ではないでしょうか。

 

「これまでの○○は、上から一方的に言われて、ハイ、と言うしかなかった。

(責任もお前たちだと言われた・・)

そう言う時代が長く続いて、それが・・・・大きく変わった。それは良かったが『君らに任せた。自分から考えて・・』と言われても、自分からこうしたい、どうしたいということに慣れていない。それでどうやればいいのかわからないし、すぐ出来ないでいるというのが、自分も含めて課長連中みんなの現状・・。

 言われていることはよくわかるし、やらないと、とはもちろん思っていても、日々の仕事・・もあって、なかなか(目指すところには、すぐには)進めていけていない・・。」

                                       

 私のお手伝いしている企業の、ある課長が最近言った言葉です。あまりに正直な言い方でしたので、この内容のまま経営トップや統括責任のみなさんにも伝えました。

 この言葉をちょっと変えることで、多くの企業様の現状にも当てはまるものと思います。

 

 「これまでは、デフレで、新しいことをやるより、既存の商売を守ることが第一としてやってきた。・・それが変って、インフレンになるから、それに合ったビジネスをやれ、と言われても、・・慣れていない。それでどうやればいいのかわからないし、すぐ出来ないでいるというのが、みんなの現状・・。」

 

発想と行動の転換というのは、なかなか難しいものです。そこで、私なりに最近『企業のあ

り方』として考えたことを皆さんに伝えたいと思います。大檀上な言い方ですが、タイトルは「これから繁栄する企業のあり方」です。

 

 

はじめに:

 

 ずいぶん以前(1997年)に私は「リレーショナル・マーケティング」という書籍で「これからは、資本や設備、企業規模ではなく、お客様や外部企業とのネットワーク(事業の輪づくり)が事業の本質になる」という主旨のことを述べました。そしてその事業モデルを実現する7つのキーワードとして「新しい切り口・コンセプト」「情報発信」「パーソナル対応と顧客参画」「専門性」「ハイスピード対応と大量効率処理」「継続化」「外部連合」を挙げました。

つい先日さっと読み直してみて、私が言うのもなんですが・・全く古臭くないどころか、今この時点で書かれた内容としても、全くおかしくないだろうという感想を持ちました。

 

(実際、この1~2年の中で、複数の企業様の幹部のみなさんに「リレーショナル・マーケティング」の考えを語っていますが、全く違和感はありませんし、妥当するいろいろな事業政策のアイディアが出てきます。また、昨年は、この本をアマゾンでわざわざ取り寄せて読んでいただいた某企業の幹部の方からも、お話をいただきました。)

 

私は、その後この「リレーショナル・マーケティング」から「マトリックス営業戦略」というトータル的な戦略作戦モデルを開発していきましたが、それは理論モデルの展開ではあるものの、ベースとしたビジネス環境に大きな相違はありませんでした。

その間実際の日本のビジネス全体はどうだったのか?失われた20年という言葉がありますが、まさにそうなのか、とさえ思えた次第です。

 

一方で、最近になってこの書籍ではまだ予見できなかったことが、新たに起こりつつある、ということにも気が付くことが出来ました。それは、単にちょっとしたビジネス環境の変化というより、この資本主義社会システムに関わる大きな転換とさえ言えるのではないか、と感じています。

社会全体が豊かになれるほどの技術革新と生産・供給体制が整備されたと思われるのに、なぜか人々の幸せ感は増大していない。そればかりか、個人はバラバラに孤立感を深めており、未来へ向けての希望の持てない状態がより大きくなっている・・。そこに高齢化や貧困格差が必然化し、より閉塞感の漂う社会状況が進行している。そして世界の資本主義化とそれに伴う複合的な紛争の勃発・・・。あらためてこうした社会問題を経営コンサルタントとして真正面から取り上げてみたいとは思いますが、今はちょっと荷が重すぎますので、こんなところにしておきましょう。

 資本主義社会システムが歴史的な大きな転換期に差し掛かっている。今そこに我々はある、ということは確かに感じます。

そうなればこれまでの『企業のあり方』も必然的に変わって来ざる、を得ないでしょう。

そこであらためて「これから繁栄する企業のあり方」を整理してみたいと思います。

もっといい深い表現があるかもしれませんが、まずは今感じていることを書き出してみて、その中身を一つ一つ詰めていく、というステップを取りたいと思います。

 

 ですので、今後追加修正や書き直しが出て来るものとは思いますが、それは『試行錯誤』の結果であるとして、ご容赦下さい。これからの企業のあり方と共に、社会人として、あるいは社会としてのあり方も、今後考えていきたいと思います。

 以下がその内容です。

 

これから繁栄する企業(経営)のあり方とは

                                     2014.10

1.「無償」で社会貢献できる、強い『志』を持った企業が繁栄する。

 ・「フリー」、グーグルの無料検索、青空文庫、俺のフレンチ・・

 ・無償(贈与)という行為には、神性が宿る。目先損得を超えた神性こそが、企業の『志』を輝かせ、高次なブランドロイヤルティを作ることになる。

 

2.『社員』がより幸せな企業が繁栄する。

・社員により高い給与を払える企業が繁栄する。

・社員により充実した満足できる人生を提供できる企業が繁栄する。

  ・社員が、お互い自ら学び合い、より成長する企業が繁栄する。

 

3.お客様との熱い輪が広がっていく企業が繁栄する。

・お客様がファンとなり、共感の輪がネットワークとして広がっていく企業が繁栄する。

・お客様が積極的に一緒に事業に参画してくれ、支援してくれる企業が繁栄する。

 

4.『もの』ではなく、『こと』と『仕組』がオリジナルな強みになって、日々進化している企業が繁栄する。

  ・「問題解決のストーリー」「新しい満足のストーリー」を感動もって提供し、そのストーリーを進化させていく新たな仕組みを構築できた企業が繁栄する。

   

5.社内外の壁を取り払い、自社だけでなく異質な人や企業と組んで、新しい価値(ビジネスモデル)を創造できる企業が繁栄する。

  ・自社と他社や外部専門人材の強みをオープンに複合的に組合せ、今までにないビジネスモデルを創造できる企業が繁栄する。

 

6.市場の変化多様化をチャンスに変えられる、臨機応変な企業が繁栄する。

  ・過去に執着せず、常に変わっていける企業、障害をチャンスに切り替えられる柔軟な発想の企業、チャンスにどん欲にチャレンジしていける企業、変化多様化を当たり前に、いつでもメリハリよく動ける体制が取れているシスティマチックな企業・・が繁栄する。

 

7.人や社会に希望と勇気と、深い喜び(感動)を提供できる企業が繁栄する。

  ・社会的な課題に取り組み、将来ビジョンを持ってその実現に向けて着実に進めていける企業、そのことで希望と勇気と感動を多くの人や社会に与えてくれる企業が繁栄する。

  例:テスラモーターズ、

                                                           以上

 

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このページは、CBC総研が2014年10月10日 21:26に書いたブログ記事です。

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