リーダーの『新規開拓』29二章12番外編:「新規開拓は"仮説検証"の実例紹介」

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前回、「新規開拓の採算計算」のやり方について解説しました。但し、採算計算を安易に行い、営業担当者にノルマを課すことには、気をつけてほしいと思います。

そこで今回は、番外編としてあるコンサルティング企業の新規事業の実例について紹介したいと思います。結論は、新規開拓は「採算計算」以前に『トライ&エラーの"仮説検証"』が大事ということです。

何より個別企業の実例ですので、あまり詳しい説明をするわけにはいきませんが、私は大変参考になった事例です。皆さんにもご参考になれば幸いです。

 


―新規開拓は"仮説検証"のテストマーケティング―

  ~販売目標のノルマ設定には、気を付けよう!~

新規開拓というとすぐ販売金額目標を立て、その目標達成を目指して活動を始める場合が多いでしょう。確かにターゲット市場を見極めるためには、その市場でどのくらいの販売目標が見込めるのか、仮の市場規模を計算することは大事です。しかしそれをそのまま営業担当者に新規開拓の販売目標として設定しノルマのように期待するなら、それは失敗原因を自ら作っている場合が多いことに気をつけましょう。

なぜなら新規開拓というのは、はじめてのお客様を相手にするだけに、売り込みの姿勢ではまずうまくいかないからです。それが売り上げ目標(ノルマ)を設定することで、営業マンはお客様との関係づくりよりも売り込むことを優先してしまいやすく、お客様から信頼を勝ち得ることができないまま、断られて終わりになってしまう。そんな場面が多いのです。

そもそも新規開拓はやってみなければわからない活動であり、たとえそこで売り上げ目標を設定しても、それが実現できるかどうかは不明です。それなのに販売目標のプレッシャーばかり与えることは、単なる根性論、精神論に陥って、売込みばかりを繰り返すことになりやすい、と思って下さい。

どうも日本人というのは、この同じ失敗を繰り返す民族であるようなので、なおさら気をつけたいと思います。

繰り返しますが新規開拓は、なにより「仮説検証のマーケティング活動」です。

この場合仮説とは「どんな事情のお客様に対して、どんな特徴の商品サービスを提案すれば、お客様に強い関心を持ってもらえ、新しい満足も提供できるのか」ということです。

そこでの仮説がうまく当てはまるなら、お客様と新しい関係を築くことが出来る。そうでなければ、どこか仮説がずれていることになり、新規開拓は進むわけがないのです。

はじめから仮説がぴったり当てはまることは少ないかもしれません。ですから、新規開拓活動を続ける中で、その仮説を修正し、その精度を上げていくことが必要になるのです。仮説を繰り返し自問しながらトライ&エラーしていく。

前回解説した「新規開拓の採算計算」は、そうなった状態以降での話と思って下さい。

 

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事例:「新規開拓は"仮説検証"活動」の実例

 

―あるコンサルティング会社の新規事業開拓の話―

 

 それまで中堅コンサルティング会社として活動していたL社は、新しい活動として、自社のコンサルティングノウハウを結集した教育ビデオを制作し販売することにしました。ワンセット50万円です。そこで大都市中心の企業に向けてDM、FAXと直接電話アプローチによる新規開拓活動を始めたのです。もちろん販売目標も設定し、採算計算もばっちりしました。

しかしその意気込みは空回り。なかなか教育ビデオが欲しいという企業は出てきません。6か月経っても、売れたのは既存客が付き合いで購入してくれた数本と新規開拓では、せいぜい10本程度。かけたコストを回収するどころか、全くの大赤字の事業になってしまったのです。採算計算どころではありません。ここまでは「紺屋の白袴」ということになります。

そこで全面撤退も考えたのですが、あきらめきれない思いで今一度テコ入れすることにし、L社長自ら陣頭指揮を執ることにしました。

そこでL社長は、まずこれまで売れた購入先のお客様を分析したのです。すると、その中に数社、会計事務所がありました。それは会計事務所が自分たち署員の勉強のためもありましたが、その先の顧問企業での勉強会に使う用途としても購入していたのです。

そこにL社長は注目しました。単なる社員の勉強のために高額なビデオを購入する会社は少ないが、それが自社のビジネスになるとするなら、十分メリットはある。会計事務所にとっては、このビデオは顧問先との関係を深め、さらには新しい顧客開拓や新事業を進めるための道具になっている。

そう解釈したL社長は、これまでの新規開拓活動を抜本的に見直し、ターゲット先を会計事務所に絞り込みました。それも単にビデオを売るのではなく、会員制度にして会計事務所が新しくコンサルティング事業を始める支援までするようにしたのです。

これで売り先も会計事務所一本に絞り込まれ、提案のコンセプトも一新されることになりました。何より会計事務所の事業支援を行う会員制度という訴えは新鮮です。一気に新規事業が進むことになりました。一年後には全国の主な会計事務所500社が会員となり、L社の主力事業の一つに育ったのです。

 

 

            従来            新しいコンセプト 

ターゲット顧客: あらゆる企業(対象は絞り込まず)  先進的な会計事務所

 

提案物    :  社員教育用VTRの販売     会計事務所が行う

顧問企業向けの

教育プログラム、及び

会計事務所向け会員制度

(会員への支援内容)

                     

       

提案内容   :  企業の社員教育提案      会計事務所の新しいビジネス

(コンサルティング事業)提案

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

                                    以上


次回に続く・・・


参考ブログ:

・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」

     http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html


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このページは、CBC総研が2014年8月22日 10:52に書いたブログ記事です。

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