2014年8月アーカイブ

前回、「新規開拓の採算計算」のやり方について解説しました。但し、採算計算を安易に行い、営業担当者にノルマを課すことには、気をつけてほしいと思います。

そこで今回は、番外編としてあるコンサルティング企業の新規事業の実例について紹介したいと思います。結論は、新規開拓は「採算計算」以前に『トライ&エラーの"仮説検証"』が大事ということです。

何より個別企業の実例ですので、あまり詳しい説明をするわけにはいきませんが、私は大変参考になった事例です。皆さんにもご参考になれば幸いです。

 


―新規開拓は"仮説検証"のテストマーケティング―

  ~販売目標のノルマ設定には、気を付けよう!~

新規開拓は自由であり、トライアンドエラーの精神が大事、と繰り返し述べてきました。と言って、やみくもに活動すればいいわけではありません。採算や生産性を常に意識して活動の効率を上げる工夫をすることも、一方でとても重要になります。そこで今回は新規開拓の採算を計算する方法について解説しましょう。取り扱う商品サービスによって、計算の異なる部分もありますが基本的な考え方は一緒です。

 

想定する条件(例えば活動内容・工数時間や販促内容、旅費交通費・・期間)で取引毎の総費用(+必要利益額)を仮計算した上、想定する粗利益率から必要販売高を計算します。その上でその期間での実績と比較して採算性の合う活動ができているのかどうかを判断する、という手順です。

 

販売額や粗利益額を計算する際は、一件当たりで想定できる成約金額(単価)、粗利益率が大きく関係します。新規開拓の口座開設の件数が多くとも、単発的な小口取引が大半では、新規開拓の採算は取れていない場合が多いですし、新規開拓をする意味が薄いことになります。新規開拓ではやはり大型商談や継続取引が見込める顧客が大事ということになるでしょう。

 

また費用の計算では、成約までの営業費用の見積もりや成約率が大きく関係してくることになります。そこではいかにスピーディに成約に結びつけられるかが、大事になってきます。効率性の視点です。いくら(大口の)見込み客が多くとも、成約までに時間がかかったり、最終の成約率が低いため、経費が大きくなって不採算な活動になっている、というケースも多いのです。気をつけたいものです。

 

(ブログの目次)

―採算性計算のために設定すべき項目―

<新規開拓の採算性を測るための質問>

設定すべき条件:

―ケース毎での採算計算例―

ケース例1:トータルでのアプローチ件数と成約件数(率)をあらかじめ想定し、目標利益を上げるためのトータル及び一件当たりの成約金額を算出する場合。

(個人あるいは数人での新規開拓作戦を想定)

設定する条件として:

<算出方法>

―成約金額は想定できるが、成約率が不確定な場合のケース―

ケース2:一件当たりの成約金額や粗利益率をあらかじめ想定して、その条件のもとで成約率によって何件アプローチして何件成約できればいいかを計算する場合。

     (営業部隊としての比較的多人数での新規開拓作戦を想定)

  設定する条件として:

<算出方法>

 

 

 

はじめに:

先日、私がコンサルティングしている企業の営業リーダーMさんとの会話で、ワールドカップの日本チームのことが話題になりました。敗戦後のバッシングは相当なもので、「売れなかった時の、営業担当者やリーダーの立場と似ているね。身につまされて他人事には思えない!」との感想に、お互い苦笑いで納得してしまいました。

それに私はあの時のサッカーの戦い方(敗因)が、何か『負けつづける営業部隊のやり方』とどこか通じるものがあるよう感じていて、さらには現在の日本社会に蔓延している閉塞状況の問題点を端的に表しているのではないか、とさえどこか思っていたので、彼にもその話をしました。

すると彼はじっと聞いていたのですが、途中から『なるほど』と言ってもらえ、そこから今後の当社の営業部隊の改善策をあらためて考えることになりました。

私自身、Mさんに話す中でなおさらそういう気持ちになっていったのが正直なところです。

そこで今回、ワールドカップでの日本チームの戦い方を振り返り、その戦い方の敗因を経営コンサルタントとして分析してみた結果をご報告したいと思います。

 

―サッカー日本チームの敗因分析、7つの要因と対策―