新規開拓・提案活動における
展覧会・勉強会等「仕掛け」の運営ポイント
新規開拓においては、展示会やデモ説明会・勉強会は商談を効率的に進めて一気に進展させたり、事前に反対者からの障害を取り除く為の重要な仕掛けになっています。それだけに開催に当たっては、目的をはっきり意識した周到な準備と運営が大事になります。
ここでは、その仕掛けを組み立て、実行し運営するポイントを解説しましょう。
ポイントは、次の7つです。
1.目的を明確化し、目的に沿った組み立てを考える
2.お客様窓口担当者を味方につけ、
様々な場面で積極的な協力を引き出す。
(特に事前の情報収集と企画内容の相談、集客の協力要請)
3.必ず関係キーマン、他部門キーマンを呼び込み、
関係づくりのきっかけとする。
4.お客様の関心を引くポイントを突いた提案内容と方法を工夫する
5.参加者を強く印象付け、巻き込む仕掛けをつくる。
また参加型の運営にする。
6.チームの役割分担を明確にし、運営をスムーズに進める
7.開催後のフォローを重視する。
(事前のフォローの準備、仕掛けづくり、フォロー計画・・)
1.目的を明確化し、目的に沿った組み立てを考える
目的をアバウトなまま進めては、大きな成果は期待できません。まずあらためて、どんな目的を持って、開催するのかをしっかり検討するところから始めるべきでしょう。
(1)お客様にとっての目的
・窓口担当者を説得するための、しかけ開催の目的とメリットを明確にする。
(例:売り込みではなく、テーマを持った勉強会であり、お客様のためのもの)
⇒三段論法のストーリー化(全体のコンセプトと各論提案)
・御社が○○の事情で、
○○の問題を抱えておられるとお聞きしましたので、
・○○と言う従来にない新しい技術を持った○○と言う○○を
○○といったやり方でご紹介させていただくことで
・御社にとって○○と言うメリットにつながるような展示会を企画し ました・・。
・お客様へ向けた展示会等の開催主旨を伝える提案書・開催依頼者の作成
(2)当社にとっての目的、狙い、目標の明確化とメンバー全員への徹底
例:①当社の事業活動全般と品揃え、技術力などの紹介(信頼性アップ)
②新しい企画テーマのトータル提案(専門ノウハウのPRと提案)
③より現場に近い顧客からの具体的な情報収集
(お客様の具体的な事情やニーズ、今後の有力な案件等の情報収集・・)
④トップ、上位者、関係部門キーマンを一堂に集め、説得する場づくり
(多様なキーマンを発掘し、アプローチ出来るきっかけづくり)
⑤具体案件の各種キーマン・関係者の根回し(商談を進捗させる)
(3)商談プロセスの進行にあわせた仕掛けと目的の設定
(a)認知・関心
(多くの人に知らしめ、関心を持ってもらうための仕掛け・・
例:会社紹介総合展示会、最新技術展、工場見学会、ショールーム案内
サンプルモニター、競合製品・将来製品技術研究会)
(b)欲求
(強い関心や欲求を持たせ、検討段階に入らさせるための仕掛け・・
例:最新テーマの問題解決事例紹介、実演展示会、顧客見学会、
プレゼン会)
(C)試用(具体的な採用を検討してもらうための仕掛け・・
例:合同検討会、試作モニター、試作提案会(プレゼンテーション)
(d)本格導入・継続・愛顧(次の商談への展開を目指す仕掛け・・
例:導入後の成果・反省会・・)
・上記目的をしっかり実現できるような仕掛けを考える。
2.お客様窓口担当者を味方につける(仕掛けを成功させる絶対条件)。
お客様のキーマンを呼んだり、お客様の最適な場所と時間で最適な(さまざまな)キーマンを呼んで、そこでキーマンを説得するとなれば、開催に当たって窓口になる担当者(責任者)を味方につけられているかどうかが、とても大事になります。
言い方を変えるならば、窓口担当者を味方につけられなければ、そもそも新規開拓に成功するのはかなり難しいと思っていいでしょう。ですから、展示会やデモンストレーションなどの開催を提案する前に、出来れば窓口担当者を味方につけておきたいと思います。
・事前の顧客の情報収集 ・仕掛けの企画内容の相談 ・関係者の根回し、
・各種重要キーマンの呼び込み ・事前の開催チラシの関係部門への配布
・開催後のフォロー・・・ の協力要請
3.必ず関係キーマン、他部門キーマンを呼び込み、関係づくりのきっかけとする
・キーマンを呼べなければ、仕掛けは失敗である。そのためどのキーマンを呼ぶのか、あらかじめ実行計画の中に具体的なキーマン名まで設定しておきたい。
・このため、事前に窓口担当者から組織図で参加を呼び掛ける部門を確認するとともに、関係する重要キーマンの情報を聞き出し、「展示会」に参加するよう働きかけてもらう。
(こちらから事前にキーマンに訪問し、参加をお願いしてもよい。)
・開催時に、各キーマンとの名刺交換や相談受付、アンケート記入等を必ず出来るようにしておく。
・またどのくらいの人数の方に参加していただくのかも、事前に想定し、それだけの人数が参加していただけるような販促も考えたい。(きめ細かい開催案内のチラシ配布のお願い。参加者へのインセンティブとなるお土産・・等)
4.お客様の関心を引くポイントを突いた提案内容と方法を工夫する。
・事前の突っ込んだお客様情報の収集がポイント。
(参加者毎の本音のニーズ、必要十分要件。現状の業務内容、使用状況。関連事項。従来品への評価・問題点。競合他社の動き。今後の予定、計画内容
・何を強調した提案をすべきか。はっきり重点化する。総花的な話にならないよう気をつける。
・その場でコストや納入条件への質問に具体的に回答出来るよう、
準備しておく。
(このため、事前の販売予定数量、開発と生産コスト、配送予定等を確認し、
営業だけでなく関連部門全体でコストのシミュレーションを行っておく)
5.参加者を強く印象付け、巻き込む仕掛けをつくる。
また参加型の運営にする。
・一方的な解説ではなく、体感実験や実演、お客様の実演への参画をプログラム 化する。
また成功事例のビビットな紹介(写真、具体的な場面・顧客名・日時、お客様 の声等)お客様からの質問受け付け、感想受付等もあわせて工夫する
6.チームの役割分担を明確にし、運営をスムーズに進める。
・トップ営業、プレゼン司会者、専門技術リーダー、技術サポーター
(アシスタント)、営業リーダー、営業担当の6名を基準に配置する。
(但し、兼務はありえるし、場合により複数メンバーを配置してもよい)
・事前準備から後フォローまでの開催スケジュールにあわせて、役割分担を明確 にする。
・事前活動、開催時、その後のフォローのタイムスケジュールを作る。特に開催時での直前でのやるべきことから、渦中でのタイムスケジュールは、分単位で作成する。
・実際の運営にあたっては、運営責任者、司会役、サポート役とともに運営責任者のサポート役が、タイムスケジュールの細かい確認と役割分担の調整を担うことになる。細かな対応が出来てこそ、参加者の満足感は大きくなるだろう。
7.開催後のフォローを重視する。
(事前のフォローの準備、仕掛けづくり、フォロー計画・・)
・開催後すぐに窓口担当者にお礼の挨拶。その後に各キーマン職場訪問等のアプローチ。
・開催内容の感想、評価を確認。特に各キーマンからの評価。
一方当方から開催時に得た個別情報を提供し、今後の商談推進の協力を要請する。
・開催プログラムの中に、その後のフォローがしやすい仕掛けをつくる。
(例:アンケートや感想をお願いし、そのフォローで個別に再度アプローチ。)
・事前に、開催後のフォロー計画まで組み立て、
その役割分担や工数を見積もっておく。
・キーマンアプローチでは、あらためての感想から、案件の可能性を探る。すぐの案件でなくとも、これからの案件進捗スケジュールの予定を聞き出し、今後あらためてタイムリーなアプローチが出来るようにする。
以上
次回に続く・・。
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
追伸:
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