新規開拓のためのツールとして、ここでは提案ツールと管理ツールについて説明しましょう。いずれも新規開拓活動を組織的に進めて、成功に導くための重要な道具となります。その道具は、一方的に押し付けるものではありません。有効なツールを営業のみなさんが自分たちで工夫してつくり、それをみんなで共有する。またその使い方もみんなが工夫しあって、より成功確率を挙げていくことをめざす。そうした組織的な連携と運動を生み出すことが、道具づくり以上に大事と思って下さい。
ブログの目次:
【提案ツール】
・会社紹介:
・トータル提案パンフ:
・単品提案パンフ:
<一枚提案書の参考例>
①当社紹介パンフの作成
②トータル提案の紹介パンフ
(コンセプトと個別提案の全体がイメージできる一枚パンフ)
③個別提案パンフレット(一枚提案書)
④○○勉強会デモのご提案
⑤××・・・の仕事を取るための一枚チラシ
◎お客様満足実例集(成功事例紹介シート、一覧集):
【管理ツール】
・顧客台帳:
・案件カード:
・顧客リスト(或いは商談進捗管理リスト):
・商談履歴表:
【提案ツール】
提案トークストーリーとして『基本三段論法』『(未来)大三段論法』『実例三段論法』を解説しました。提案ツールも、そのトークストーリーに合わせて作成することで、提案の説得力が増すことになります。ここでは会社紹介、トータル提案パンフ、単品提案パンフ、実例集について解説しましょう。三段論法ストーリーとの関係は次のようになっています。
・会社紹介 ⇒『(未来)大三段論法』
・トータル提案パンフ ⇒『大三段論法』
・単品提案パンフ ⇒『基本三段論法』
・実例集 ⇒『実例三段論法』
会社紹介:
一般的な会社案内パンフレットは、どの企業でも用意していますが、それだけでなく相手の企業様の事情にあわせて、自社の強み・こだわりを強く訴えるための自社紹介パンフを別途に作成しましょう。
一~二枚での簡単な内容で営業担当者に整理してもらい、手作り感を出します。業種別やお客様の特性と提案内容によって、訴える内容は変わるはずです。
未来大三段論法ストーリーのセールストークをもとにその内容を考えましょう。
例:「これから世の中は・・となってきて、・・が求められてくるよう思います。そこで当社では、これからお客様のような○○の事情のお客様に対して・・・して行きたいと思っているんです。」
簡単な方法としては、「当社の強み・こだわり⇒お客様にご提供できるメリット・満足内容(実績実例:○○)」を項目的にならべて、最後に「だから、お客様には・・○○したいんです。」といったフレーズで締めるといったやり方が考えられます。
繰り返しになりますが、新規開拓は単に新製品を提案するのではなく会社対会
社の新しい関係作りが目的です。まずは会社と自分を知ってもらい、信頼して
もらって期待を持ってもらえることが始まりです。ですから、自社紹介を心か
ら自信持って語れることが、とても重要です。提案ツールにも、その自信や誇
りを込めて作っていただきたいと思います。
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トータル提案パンフ:
単品単発ではなく、関連設備、機器、製品、部品、消耗品、システム、導
入・アフターサービス等、お客様の求めている満足に対して、トータルな形
で御役に立てることを訴える提案パンフレットです。トータルな訴えをする
ことで、自社独自な専門的な強みやこだわりを総合的にイメージしやすくお
客様に伝えることが出来ます。
実際に提案できる主な商材すべてを網羅的に列挙できますので、提案の漏れ
もなくなりますし、幅広くお客様の事情を聞き出すきっかけをつくることが
出来るでしょう。
たとえば図形的なイメージとしては、中央にお客様満足のテーマを置き、そ
のまわりに提供出来る商品・サービスを配置します。事前診断調査、導入支
援、提供する製品・サービスの種類・周辺設備機器・部品・消耗品、メンテ
ナンス、アフターフォロー、資金相談等といったお客様満足を実現するため
の、一連の流れをもったお役立ちが考えられるでしょう。
単品提案パンフ:
トータル提案は大事ですが、それだけではどうしても予算的にも話が大きくなってしまいます。そこで、トータル提案の紹介をしてお客様の関心事がつかめたら、次には今すぐ決断出来るような、単品提案を仕掛けるようにします。そのためのツールです。お客様にまさにビジョン方向を示して、トライアンドエラーしてもらうのです。
出来れば一枚にして、一目で提案する商品サービスの特徴やメリットが伝わるようにします。提案テーマの基本三段論法トークをセールストークとして作成し、その殺し文句をタイトルなどに有効に使って、インパクトのあるパンフレットにしましょう。一言提案活動のツールとしても有効であり、このパンフレットを使えば、お客様に一分間で簡潔に説明することができ、そのままパンフレットをお渡しすることが出来ます。複数の提案パンフレットを作成しておけば、お客さまとの話の中で、お客様の事情にあったパンフレットを都度選択してお見せしながら、臨機応変に提案することが可能になります。
※参考1:「一枚提案チラシと作成ポイントの解説」
itimaitirasianntopointokaisetu.doc ※参考2:「一枚提案書の参考例」
sinkikaitaku-itikmaiteianshonorei.docx
いずれも、自分達の工夫を加えることが大事です。会社から与えられたものをただお客様にお見するのでは効果は薄いし、自分の思い入れも少ないために説明も通り一遍になりやすいものです。例えば新聞記事などでも、自分で重要な部分はマーカーなどで強調したり、一言加えたりするだけで、インパクトは数段大きくなります。そうした工夫を部下メンバーに促すのもリーダーの役割です。たとえば、うまいやり方の営業担当者のツール類を、みんなの前で発表させ、みんなでそのツールやアイディアを共有化できるようにするといったことも考えられるでしょう。
【管理ツール】
顧客台帳:顧客一社一社の概要を記入する台帳。はじめにアプローチした段階で作成し、都度中身の追加修正をしていくべきでしょう。新規開拓の場合は、顧客ファイルとして、そこに台帳と案件カード、商談履歴を一緒に見れるようにしておくのがいいでしょう。情報システムとして、そうした情報管理がしやすくなっている。
新規開拓の場合、一回のアプローチで終わるわけではなく、次の機会に違う営業担当者がアプローチすることも考えられます。また途中で担当者が代わることもあるでしょう。そうした場合、顧客台帳があることで、スムーズに継続的なアプローチや担当引き継ぎができることになります。
そもそも新規開拓では、単に案件提案ではなく、顧客との企業としての取引をはじめるわけで、そのために顧客の全体状況をしっかり把握することは、なにより大事です。そうした考えを営業担当者にしっかり身につけてもらうためにも、この顧客台帳をしっかり作成させるようにしましょう。
・具体的な情報としては、顧客の全体状況として、次のような内容が考えられます。定型的な項目を洗い出して情報収集するようにしましょう。
・また、定型項目以外の特筆すべき情報も別途記載し、蓄積したいと思います。例えばその企業の成り立ちやトップ人脈、役員等のつながり等。関係会社との関わりや位置づけ等も、重要な場合があります。
<仕入先情報><人的情報・・・キーマン情報><製品関連情報、設備関連情報>
<購買関連情報>
こういった項目の中で、特に重視する内容については、別途でのシート管理をすべきでしょう。
注:キーマン情報については、今後のブログ参照
案件カード:商談の具体的な案件が発生した都度作成します。提案物とお客様の案件に関する個別事情、ニーズ内容、要求事項等の詳細内容です。顧客台帳はあくまでも顧客に関する情報であり、この案件カードは案件に関する情報なので、はっきり区別して管理します。例えば、顧客ニーズやキーマン、関係者と言っても具体案件によって、内容は変わることが多いはずです。新規開拓の場合、顧客の全体状況をできるだけ早い段階で情報収集しながら、個別案件を進めるということになるでしょう。
顧客リスト(或いは商談進捗管理リスト):
新規開拓において、ターゲットとしている見込み客を一覧にしたものであり、ターゲット市場全体を把握し、新規開拓活動の進捗状況や商談成果が一目でわかるようにしたものです。
区分、顧客名(案件名)、提案テーマ・内容(商品名等)、目標金額、担当者などがリストの頭にきて一覧にし、その上で一件毎の商談の進捗状況を都度記入するようにします。
この為、商談プロセスをステップ化して記号化し、進捗を記号から一目で追っていけるようにすべきでしょう。そうすれば、どの商談がどこまで言っており、どこで滞っているのか、一目瞭然となります。その都度の全体状況を把握できるとともに、すぐ問題点をとらえて対策を打つことが出来ることになります。リーダーとしては、必須の管理ツールといえるでしょう。
商談履歴表:一回毎の商談内容をその都度記入し、顧客商談案件毎にその商談推移を追えるようにしたものです。
最近は日報で商談内容を記入させ、それを顧客商談別にコンピューターで整理し直し、履歴が見えるようにしている場合が多いようです。但し、その場合注意しなければならないのは、日報という形式ではその商談内容を簡略して記入することになるので、
重要な細部が抜けてしまいやすいことです。商談は細部が重要なので、重要な内容が省略されないように気をつけましょう。日報は項目的な記入にとどめ、商談履歴には、しっかりポイントをつかんで、その内容を記入するといった区分けをしてもいいでしょう。
顧客情報収集シート(新規開拓用) (例) 顧客№:○―○
顧客名 業種、業態 規模 住所 拠点: |
事業内容 |
人と組織 |
競合関係(仕入先)と、主な取引内容 |
取引先、エンドユーザー |
主な販促方法と運営方法 |
対象業務内容:(対象テーマ、使用量、運営・タイミング、仕入先、価格・・今後の予定と可能性・・) |
(具体商材テーマ)×××: |
×××: |
×××(・・・、・・、・・、 |
×××・・・ |
業績傾向 |
今後の方針、方向 |
購買決定方法(人、予算、スケジュール、手順・・) |
<商談履歴表・・都度記入> |
日時、時間、面談者、面談内容・・・・・・・コメント(次回までの対策、宿題) |
|
<商談案件一覧表・・一件毎の一覧表> |
<見込み具体案件シート> |
最近はコンピューターの発達が目覚ましく、これまで台帳やシートに記入することで行ってきた管理が、パソコン画面あるいは携帯端末やタブレット端末に入力するだけですべて管理出来るようになってきています。しかしそれだけに、報告のための入力をしてそれで終わりという傾向に陥りやすく、実際には管理が杜撰になっているケースも見受けられます。管理は実際の成果を上げるためのものであり、その目的に沿ってしっかり運営することが大事でしょう。
あらためてその目的に沿って、その運用方法を検討してみて下さい。
⇒どの時点で、情報を入力(記入、追加修正)するのか。その入力による最新状況をリーダーはいつどのようにチェックするのか。管理項目と管理方法を決め、しっかり運営する。ちなみに、
「新規開拓月間総括表」にて、一カ月単位で活動状況を総括し、営業部隊として次に向けた対策を明らかにする。
以上
次回に続く・・。
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
追伸:
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