前回、「初期アプローチ段階」の始まりとして「アポイントの取り方」について解説
しました。
今回は、アポイント後の『初回訪問場面』について解説しましょう。その内容を参考
に、できれば自社なりの「新規初回訪問マニュアル」を作成しましょう。
【2:初回訪問場面】
初期アプローチ段階でも初回訪問場面ははじめてのお客様にお会いするため、一瞬一瞬の集中力が求められる、特に大事な場面です。ほんのちょっとの対応のミスが命取りになります。ですから対応方法をきっちりシナリオ化し、ストーリーとしてノウハウ化しましょう。そこでこの場面での大事なポイントを7つのフェーズにわけて解説したいと思います。
第一フェーズ:訪問直前の準備
―初回商談のビビットなシナリオ作り―
―シナリオに合わせた提案書等ツール類の整理―
―提案のコスト仮計算―
第二フェーズ:見込み客企業到着時の確認
―到着時間と周囲の情報収集―
―社内状況の情報収集―
第三フェーズ:窓口担当者への挨拶と交流
―初めの挨拶、第一印象の大事さ―
―質問での交流からスタート―
第四フェーズ:自社紹介から、質問法によるお客様事情の聞き込み。
(提案にはいる前の情報収集。)
―自社紹介のストーリー作り―
―自社紹介から、お客様事情の聞き出しー
第五フェーズ:トータル提案から個別提案へ
―個別提案の前の「トータル提案」の大事さ―
―交流、聞き込み後での、個別提案の流れ―
第六フェーズ:次回訪問へ向けた宿題づくりと、次回日程確認
―実務内容の質問―
―取引(導入)検討へ向けた宿題づくり―
―次回日程の確認―
第七フェーズ:訪問後の情報整理とお礼のメール。さらに次回訪問へ向けた準備
―お礼のメール―
―当日中の上司報告と社内連係―
―『見込み客シート』の作成と次回へ向けた対策確認―
―日々の新規開拓のビビットな体験を、自分のものに―
第一フェーズ:訪問直前の準備
―初回商談のビビットなシナリオ作り―
・訪問前に相手のお客様の資料類を再確認し、初回商談のシナリオをビビットにイメージしてみます。
挨拶から質問での交流の入り方→会社・自己紹介→お客様の事情のヒヤリング→提案と応酬内容→次回へ向けた宿題づくり・・等など。
できれば多少余裕もって1~2日前にアバウトにイメージしておき、再度訪問直前に集中力もってイメージを再確認するといいでしょう。
・面談する相手によって、商談のやり方は変わります。その違いも事前にはっきりイメージして、メリハリある対応が出来るようにしておきましょう。(参考:キーマンの種類と対応方法の違いについては、今後小生のブログで解説する予定です。)
・この初回のはじめの商談の入り方はある程度標準化することが可能です。都度繰り返しそのやり方を見直し、中身を磨きあげていきましょう。作業的な商談の進め方ではなく、相手のお客様の事情や気持ちを受け取りながら交流をよりスムーズに進めていくやり方を模索してください。(実際の交流の進め方は、第三フェーズ以降になります。)
―シナリオに合わせた提案書等ツール類の整理―
・考えたシナリオにあわせて、提案書や資料の順番を整理し直します。出来れば提案書のタイトルの見直しやお客様の名称とロゴ貼りつけ、強調すべきポイントのマーカー付け等、細かな手直しを行いましょう。そしてその手直しした提案書や資料を使っての話し方や想定される質問内容、さらにはこちらから聞くべきことをシミュレーションするのです。そのことで商談に臨む意識が高まり、緊張感と集中力を持った心構えをつくることも出来ます。
―提案のコスト仮計算―
・最近はお客様のコストへの関心が高いため、初回訪問でもコスト比較される可能性が高いものです。このため、今回訪問するお客様の事情に合わせたコストの概算を事前に出せるようにしておくことも、ケースによっては大事になります。(参考:コスト計算の方法も今後小生のブログで解説する予定です。)
第二フェーズ:見込み客企業到着時の確認
―到着時間と周囲の情報収集―
・はじめの訪問では、時間の余裕を持ち、最低10分前には到着しましょう。そして会社の周りを観察して情報収集します。写真も取りましょう。
・例えば、倉庫などがある場合は、置いてある商品内容や配送トラックの便名、競
合他社品の確認、出入りの様子など。また看板の表示内容なども重要です。事務
所の場合、建物入口や受付の様子、さらには内線での組織図があれば、携帯で写
真を取っておきたいと思います。
―社内状況の情報収集―
(・最近は受付に受話器があって、そこから確認の電話、応対の受付嬢による案内と言う手順になる場合が多いと思います。もし事務室等を通るようなら、ゆっくり社内の雰囲気などを確認し周囲の人達にも丁寧に挨拶しながら、落ち着いて打ち合わせ室に入りましょう。)
・また、通された室内に表彰状や会社理念等があれば、それもしっかり確認し、できれば写真を取っておきましょう。
第三フェーズ:窓口担当者への挨拶と交流
―初めの挨拶、第一印象の大事さ―
・室内で待たされている間は心を落ち着かせ、最終確認として名刺交換後の自分の第一声をシミュレーションしてみます。自分で自分のにこやかな姿をイメージしながら、そこで話す言葉を確認するといいでしょう。
・なによりはじめは売り込み意識を取り除き、明るくさわやかな印象を作ることに徹します。初めてお会いするのがうれしいという気持ちをあらわすのです。
―質問での交流からスタート―
・名刺交換の後、こちらからの第一声は相手のお客様の印象から入るのが無難であり、そこから簡単な質問を投げかけるようにしましょう。できれば、はじめにお客様を褒める感想を率直に述べてから、簡単なやり取りの交流にはいりたいと思います。
気を付けたいことは、はじめからこちらがしゃべりまくるような立場にならないこと。むしろ相手の話を聞く立場をつくるようにした方が、その後の商談は進めやすいでしょう。
・そこから、最近の話題の話に入り、お客様にはじめて提案に上がった理由の説明をして、できればあらためて、お客様の事情を聞く簡単な質問を投げかけるのです。
例:「はじめてご挨拶させていただきます。私、○○の○○です。今回、貴重なお時間を頂きまして、誠にありがとうございます。・・はじめてご訪問させていただきまして、御社は○○が素晴らしいなあと(私には)思えました。・・
御社では・・については○○・・までされているんですか?」
「ええまあ、当社では、・・までしてますよ。」
「なるほど、やはりそうですか。さすが○○なんですね。よくわかります。
最近は・・について・・と言うこともよく聞きますが、やはり御社でも・・ですか。」
「ええ、○○についても○○なんですよ。・・・」
「なるほど・・さすがですね、よくわかります。・・実は当社ではそう言った○○と言う素晴らしいお客様にこそ、○○と言うお話しをさせていただいているんです。そこで今回・・・。
それでは、まず当社のことからご説明させていただきます。・・・」
第四フェーズ:自社紹介から、質問法によるお客様事情の聞き込み。
(提案にはいる前の情報収集。)
―自社紹介のストーリー作り―
・事前の簡単な交流とお客様事情の確認をしたところで、自社の会社や事業の紹介に入ります。当社の概要、経歴、強みと活動内容、実績と実例・・と言った流れでストーリーを持って簡潔に説明します。
会社案内などを使用する場合が多いと思いますが、きちんと相手の事情にあわせた自分なりのストーリーを作っておきましょう。
先ほどの解説した大三段論法ストーリーから実例三段論法ストーリーの流れです。場合により、別途自分なりの相手企業の事情にあわせた自社紹介シートを作成してもよいでしょう。
例:「当社は、・・という会社であり、・・と言う強み・こだわりを持って、特に御社のような○○の事情のお客様を中心に、・・といったことをさせていただいており、お客様からは・・・というご評価を頂いております。【大三段論法ストーリー】ちなみに実績としましては・・・。
つい先日も、・・と言ったお客様がおりましたが、・・といったことから・・させていただいたところ、なんと・・と言う成果につながり、・・と言っていただきました。【実例三段論法ストーリー】」
―自社紹介から、お客様事情の聞き出しー
・ここでも大事なのは、一方的な説明にならないこと。強みや活動内容を語ったところで、対象となるお客様の事情を投げかけて、相手のお客様の事情を聞くようにします。その上で、あらためてお客様の事情を中心とした会話を徐々に深めていき、お客様を巻き込んでいきます。
(※参照:「山川式4つの質問法(仮称)」【呼び水質問→投げかけ→突っ込み→気づかせ・憧れ質問】については、今後小生のブログで詳細を解説する予定です。)
例:「(実例紹介の後)このような事情のお客様が最近よく聞きますが、・・については御社でも、どうでしょうか。御社なりにいろいろ対策されているとは思いますが、○○と言ったことはございませんでしょうか?」
「う~ん、うちでは、そうしたことは、・・で・・なんですよ。」
「ほう、さすが・・ですね。それでは・・については、どうされているんですか。具体的に・・といったことは?」
「そう、その点では、○○については、どうしようかと思っているところですよ。」
「そうですか。具体的には、○○をお考えですか。それとも○○?」
「まだそこまで、・・してはいないんですよ。」
「そうですか・・・、それは大変ですね。では△△については?」
「それは・・で、・・です。」
「そうですか、そう言う状況ですと、○○ですね。よくわかります。でも、そうなると、○○が○○でないといけませんよね!」
「そう、そう言うことになるけど、そこが○○なんで、少し困っているところです。」「では、○○ができれば○○ということになるわけですね。」
「・・ええ、まさにそういうことですよ。」
「わかりました。それでしたら、これを見て下さい。・・・」
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以降、第五フェーズ、第六フェーズ、第七フェーズの解説は次回へ。
以上
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
追伸:
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