リーダーの『新規開拓』⑪二章5-1「初期アプローチ段階:アポイントの取り方」

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商談プロセスの中でも新規開拓においては、はじめのスタート段階が何より大事

になります。

そこで、その「初期アプローチ段階」について解説しましょう。

今回は「初期アプローチ段階」の考え方と「アポインの取り方」の説明です。

 

<ブログの目次>

―「初期アプローチ段階」は、標準化、マニュアル化せよ!―

―「初期アプローチ段階」の各フェーズの解説―

【1:アポイント段階】

<アポイントの取り方のポイント>

参考:『「アポイントトーク」マニュアル』として 




―「初期アプローチ段階」は、標準化、マニュアル化せよ!―

事前準備からアポイント取り、さらに初回訪問を経て具体的な提案にまで至る段階を「初期アプローチ段階」としましょう。「初期アプローチ段階」をスムーズに進められれば、参加する営業担当者を上手く載せることが出来るでしょう。

それまで新規開拓はいやいや「やるべきこと」であったのが、お客様に訪問して商談が継続できるならば、はっきり手ごたえを感じることができます。また次のアクションが必然的に求められ、自然にはっきり「やること」が見えてきます。営業担当者の目つき、顔つきも変わって、やる気が高まり、具体的に商談案件を追いかける次の段階へスムーズに入っていけることになるでしょう。 

 また新規開拓は一回の訪問毎に集中力を求められており、特にお客様にはじめて会う「初期アプローチ段階」では大事になりますが、最も標準化、マニュアル化がしやすいのも「初期アプローチ段階」です。なぜなら新規開拓では事前に「どんなお客様」を対象として、「どんな提案をし」「どんな満足を提供するのか」と言う仮説を立てて動くことが重要ですが、その仮説に沿って事前にお客様の事情や対応を想定し、それにあわせた最適と思われる動き方をあらかじめ組み立てておくことが出来るからです。

新規開拓は『仮説検証活動』であり、特に「初期アプローチ段階」ではあらかじめ仮説を立てて行動し、その結果を検証しながら成功パターンを見出すことが大事です。その成功パターンを標準化しマニュアル化して、他の営業担当者にも共通のノウハウとしてスムーズに横展開していけるようにしてこそ、営業部隊の作戦としても成功する、と思って下さい。

 

―「初期アプローチ段階」の各フェーズの解説―

では「初期アプローチ段階」の各場面を見ていくことにしましょう。

次のようなフェーズになるでしょう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

◎商談プロセスの【初期アプローチ段階】

 

1:アポイント段階】

    ↓

【2:初回訪問段階】

第一フェーズ:訪問直前の準備

第二フェーズ:見込み客企業到着時の確認

第三フェーズ:窓口担当者への挨拶と交流

第四フェーズ:自社紹介から、質問法によるお客様事情の聞き込み。                       (提案にはいる前の情報収集。)

第五フェーズ:トータル提案から個別提案へ

第六フェーズ:次回訪問へ向けた宿題づくりと、次回日程確認

    第七フェーズ:訪問後の情報整理とお礼のメール。

                       さらに次回訪問へ向けた準備

    ↓

【3:継続初期訪問段階(2回~3回)】

    第一フェーズ:前回訪問内容や宿題(提案物、資料類)の確認

第二フェーズ:宿題(提案物、資料類)に基づく、

                   お客様事情とニーズの突っ込んだ情報収集

第三フェーズ:次回の山場や仕掛けに向けた段取りと約束取り

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それぞれのフェーズを解説しましょう。

 

【1:アポイント段階】

  

新規開拓では、飛び込み訪問も時にはあるものの、事前にアポイントを取って初回訪問に臨むのが一般的と思います。ところが同じ提案物による同じお客様層へのアプローチでも、アポイントの取り方が上手い人と下手な人がいて、その差は大きいようです。下手な人にとっては、アポイントを取ることが何より難しく感じるようですが、実はそれほど難しくない場合が多いのです。    

そこで電話によるアポイントの取り方のポイントを整理しました。相手先の見込み客企業は決まっているものの、窓口担当者は不明の場合です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<アポイントの取り方のポイント>

 

①事前に相手の「お客様の事情」を調べて、第二章「提案トーク」で解説した『山川式三段論法ストーリー』から相手先にあわせたアポイントトークのストーリーを作る。

◎確認すべき「お客様の事情」として:

・お客様の概要、事業内容、保有設備機器、活動業務内容、扱い製品、

 取引ユーザー

・これからやりたいこと、困っていること等・・

 

 ②実際に話す場面では、あせらず、ゆっくり落ち着いて、営業マンらしくなく、ていねいにしゃべることを心掛ける。(事前のロールプレイング訓練が効果的)

  但し、相手にあわせるのではなく、多少強引にお願いすることも必要である。

 

 ③こちらからはじめて連絡した目的を、相手のお客様の事情から、話す。

                                       (三段論法ストーリー)

  信用してもらえるような相手先の事情にあわせた取引実績や客観的な証拠もさらりと語りたい。

 

 例:「私、・・の、・・と申します。今回、御社が○○の事情とお聞きしましたので、はじめてお電話させていただきました。当社は・・を・・している会社でして、(御社のような○○の事業をされている・・の他の著名な企業様とは、例えば)・・といった取引実績がございます。

実は今回当社において・・・が・・出来ることになりましたので、きっと・・・といった事情のお客様に、・・といった素晴らしいご満足をしていただけるのではないかと思い、(大変失礼かと思いましたが・・)御社にご連絡させていただいた次第です。」

 

   <アポイントトークの流れ>

    ・お客様の事情

 :「今回、御社が○○とお聞きしたので、

               お電話させていただきました。」

    ・当社の強みこだわり、提案内容

 :「当社は、○○を○○している会社です。実は今回○○が○○出来ることになりましたので・・」

    ・お客様の事情(詳細)

       「特に○○といった事情のお客様には、・・」

    ・お客様満足の実現

        「○○といった素晴らしいご満足をしていただき、お役に立てるのではないかと思い・・(今回、はじめてご連絡させていただいた次第です。)

 

 ④その上で、担当部署と役職をはっきり指名して、呼んでもらえるようにする。もし部署名がわからなかったら、仕事の様子を伝えて、想定できる部署名を挙げながら、部署名を聞く。

 

 例:「御社で、○○をされていて、○○をご検討していただく部署としては、他社様では、○○部署の場合が多いのですが、御社でも○○部署でよろしいでしょうか。

   ・・それでしたら、その○○部署のご責任者の方に取り次いでいただけませんでしょうか。」

 

  企業の場合、購買部が窓口になっている場合は多い。また立場は、一般担当者ではなく責任者を指名した方がいいだろう。

  もし、担当者が留守等の場合は、出来れば担当部署と名前、役職を聞き出し、次には、具体的に担当部署・名前・役職を指名出来るようにする。

 

 ⑤担当窓口者が出たら、先ほどと同じように、お客様の事情にあわせた三段論法ストーリーで、今回ご連絡した目的を簡潔に述べる。

  その上で、出来れば相手のお客様の事情にあった「実例」を簡潔に述べ、提供できるメリット満足内容を相手に強く印象付けたい。

  そして、その流れで、アポイントの日時を確認したい。こちらから具体的な日時を投げかけてもよい。

 

 例:「つい先日も、お客様のような・・といった事情のお客様がおりましたが、○○といったことをさせていただくことで、お客様に○○いったメリット満足をしていただきました。御社にも、そう言ったお役立ちが出来ればと思っております。このような事例もいろいろありますので、○○様にはお忙しいとは思いますが、一度お時間を頂いて、お話しをさせていただければと思いまして・・○○様には、今週○○日(○曜日)の午後などはいかがでしょうか。」

 

 ※法人と個人の場合で、アポイントの取り方は大きく異なります。法人の場合、訪問目的と提案テーマが相手の事情にピッタリ合っているならば、比較的容易にアポイントは取れるでしょう。相手もメリットのある提案や情報は欲しいからです。もし取れないとしたら、話し方が下手で目的をきちんと伝えられていないか、目的自体があいまいになっているか。さらにはそもそも目的にあわない相手にアポイントしているか。部署・立場・タイミングが合わないためにアポイントが取れないといったケースも多いよう見受けます。

   個人の場合は、はじめに警戒心の壁が強いため、お客様に質問してお役様の事情を聞き出し、そのお客様の事情にあった簡単なアドバイスなどをした上で、アポイントを取る、といった段取りになるでしょう。はじめにお客様に関係した実績等の信用をしっかり訴えることは、とても重要です。そこからお客様の事情を聞き出し、交流を図るといった流れを作ることもできるでしょう。

 

  例:「お客様、お客様は○○をご存知ですか?そう、その○○です。その○○を○○したのは、じつは私どもの会社なんです。大変評判が良くて、ありがたく思っております。・・お客様でも、○○といったことはございませんか?・・」

 

 ⑥アポイントが取れたら日時を確認の上、さらに一つ二つポイントとなるお客様の事情を聞き出したい。(無理はしなくてよいが、一歩深くお客様の事情を事前に聞き出せることで、初回訪問の商談がより的確に進められることになる場合は多い。)

 

 例:「ありがとうございます。それでは○月○日○時に御社にお伺い致します。・・そこでちょっと確認したいのですが、御社では△△といったことは、どうなっておりますでしょうか。・・・それでは・・については?・・なるほど、わかりました。それでは、そのような事情にあわせた資料をご用意して、いろいろお話しさせていただけたらと思います。○日はよろしくお願い致します。」

 

 ⑦その他、アポイントを取るに当たって、注意・留意すべき点として、アポイントを掛ける時間、相手先部署、担当者による対応の違い、等が考えられる。

 

 ⑧以上をもとに、モデルとなる『アポイントトーク』をつくり『マニュアル』化する。

 

 参考:『「アポイントトーク」マニュアル』として 

 上記のポイントを参考に、実際にうまくいっている営業担当者のやり方を自分たちのノウハウとして整理し直し、みんなで共有化できるようにマニュアル化(標準化)して、成功確率を高めていけるようにしましょう。

 

<目次例>

①事前準備事項、お客様の事情のポイント

②アポイントを取る段取りと注意点

③モデルとなるアポイントトーク

  1)電話窓口者へのトーク:・・→想定されるお客様の返答→切り替えしトーク

  2)担当者へのトーク:・・→想定されるお客様の返答→切り替えしトーク

③トークに対する補足、注意事項

  3)聞き出すべきこと、確認すべきこと

  4)注意、留意点として

 

参考2:「アポイントトークのステップとストーリー」(一枚解説シート)

  以上の説明と重複する部分もありますが、ご参考になれば幸いです。

  apointotouku-story.doc                                                                                                以上


参考ブログ:

・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」

     http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html


 追伸:

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このページは、CBC総研が2013年12月 8日 10:43に書いたブログ記事です。

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