二章:
2:説得力ある「提案ストーリー」をつくる
ここからが実際に新規開拓をスタートさせる具体的な準備段階に入ります。はじめに新規開拓のための「提案ストーリー」の作り方を解説しましょう。
そこで私の開発した『山川式三段論法ストーリー』を活用したいと思います。
(※ここでは、多少簡略して解説していますが、より詳しく『山川式三段論法ストーリー』を知りたい方は、小生ブログの「マトリックス営業戦略の基本解説②-2『山川式、三段論法ストーリー」「マトリックス営業戦略の基本解説③―3成り立ち『山川式三段論法』」を参照下さい。提案のためのセールストークを体系的に解説しています。)
―「人を動かす」3つの要素と基本三段論法ストーリー―
ここで言う「提案ストーリー」とは、営業マンの話を聞いてお客様が「じゃあ、御社と取引してみるか」と思ってもらえるセールストークのストーリーです。提案はすればいいのではなく、"人を動かす"ことが目的と言うことです。新規開拓であれば、なおさらそう言えるでしょう。
では、その"人を動かす"ためには、何が大事になるのか。次の3つの要素が考えられるでしょう。
第一番目の要素は『自分の思い・信念』です。「私はこう思う。だからあなたにはこう動いてほしい!」と言う言い方が当てはまるでしょう。人は強い思いと信念を持ってこそ、"人を動かす"ことが出来ます。逆にそれが無ければ、"人を動かす"ことにはならないのではないでしょうか。
二つ目は、『相手への深い理解と共感』です。「あなたのことはよくわかる。だからこそ、あなたにはこう動いてほしい!」。人は自分のことを深く思ってくれる人の言うことを聞きたくなるものです。最近は「私のことをわかってほしい」と思う人たちが多いだけに、特に大事な要素と言えるでしょう。
そして最後は"人を動かす"目的をあらわす要素であり、『夢と危機感』です。「○○と言う素晴らしい目的を実現したいんだ。だから、あなたにはこう動いてほしい!」
崇高な目的を持ったビジョン実現のため、あるいは強い危機感を持った解決のためなら、たとえ困難が予測されても、人は動きたくなるものです。特に大きな決断が求められるような場面では、この「夢と危機感」が人を動かす大事な要素となります。
さて、この3つの要素をビジネス現場、特に営業活動のお客様を動かす場面にあてはめます。すると、次のように読み替えることが出来るでしょう。
自分→自社及び自社の商品サービス(の提供)
相手→お客様(の事情)
目的{夢と危機感}→お客様満足の実現
そこでこの3つの要素を組み合わせるなら、次のような、"人を動かす"説得力ある提案トークのストーリーになるのです。このストーリーを「(山川式)基本三段論法ストーリー」と名付けました。
自分:どんな特徴ある(自分の思い・信念をもった)商品・サービスを
相手:どんな事情のお客様に(深い理解と共感を持って・・)提供することで
目的:どんな素晴らしい満足を実現するのか
パターン①
⇒【顧客】(「お客様の事情」への深い理解と共感を示す。)
「お客様の事情は、○○なんですね?よくわかります。」
⇒【商品サービス】(自分の思い・信念を持って提案する)
「それでしたら、見て下さい。
今回ご提案するのは、○○なんです。○○が○○で○○が違います。」
⇒【満足】(「夢と危機感」でお客様を大きく巻き込む)
「ですから○○と言った事情のお客様には・・、
きっと○○という素晴らしいご満足をしていただけるものと思います。
ですから是非・・・」
3つの要素の順番はいろいろ入れ替えることが出来ます。
パターン②
⇒【商品サービス】(自分の思い・信念を持って提案する)
「見て下さい・・。今回ご提案するのは、○○なんです。
○○が○○で○○が違います。」
⇒【顧客】(「お客様の事情」への深い理解と共感を示す。)
「ですから、○○といった事情のお客様には・・、きっと」
⇒【満足】(「夢」でお客様を大きく巻き込む)
「○○という素晴らしいご満足をしていただけるものと思います。
ですから是非・・・」
パターン③
⇒【顧客】(「お客様の事情」への深い理解と共感を示す。)
「見て下さい。今回、○○といった事情のお客様に・・・」
⇒【満足】(「夢」でお客様を大きく巻き込む)
「○○という素晴らしいご満足をしていただきたくて・・」
⇒【商品サービス】(自分の思い・信念を持って提案する)
「こんな、○○といったご提案をお持ちしました。
○○で○○が違います。○○なんです。
ですから是非・・」
質問:
提案セールストークを作るために、次の質問の回答を考えて下さい。出来るだけ具体的に、生々しく表現しましょう。そのほうがトークに気持ちが籠って説得力が増すことでしょう。
①どんな事情のお客様を対象とするのか?
(例:業種・業態・規模年商、業績、事業活動内容、設備、組織体制・・・お困り事、求めていること・・)
②そのお客様に対して、(今取引している競合他社と比べて)どんな特徴のある商品サービスを提供しようとしているのか?
③その結果、お客様には(従来の競合他社との取引では得られなかった)どんな素晴らしいメリットやお客様満足を実現できるのか?
<注:補足説明として>
多くの新規開拓や新規提案営業を見ていると、上記3つの要素のうち、【商品サービス】
については比較的鮮明に語れる場合が多いようです。しかしそれだけに営業担当者は提案する商品サービスの説明に偏りやすい傾向があります。一方新規開拓の場合、相手の『お客様の事情』については、あまり知らない場合が多いことでしょう。するとなおさら「お客様の事情」がないがしろになってしまいがちであり、一方的な商品サービスの売り込みに夢中になって失敗している姿もよく見かけます。
お客様は商品には関心が無い、と思ったほうがいいでしょう。お客様は、(自分にとっ
て)素晴らしいメリットや満足が得られる提案がほしいのです。商品はそのための手段でしかありません。お客様は、売り込まれるのが何より嫌いです。ですからお客様に売り込みと思われたら、それだけで嫌われ、提案する商品サービスは魅力のないものに映ってしまいます。新規開拓の場合、初めての営業ですから、なおさら気をつけなければなりません。「お客様の事情」を先にして、商品サービスの話は後にしなければならない。このことを肝に銘じましょう。営業リーダーの皆さんは部下指導の際に、特にこのことを忘れないでください。
そう考えるなら基本パターンとして、まず①のパターンを身につけることから始めるの
がいいと思います。
以上
(この続きは、次のブログで・・)
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
追伸:
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