リーダーの『新規開拓』1―②序章「新規開拓がうまくいかない3つの課題」

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トップ・リーダーのための「新規開拓」(営業活動、営業組織、実践研修)1-②


序章:

―新規開拓がうまくいかない、3つの課題とは―

 

日本国内の市場がどんどん縮小する現在、すべての営業部隊において、「新規開拓」や「新規提案」が業績アップの必須条件であることは間違いないでしょう。

ところが「新規開拓」を方針やスローガンとして掲げているものの、しっかり実行できて着実に成果を上げている営業部隊は意外に少ないのではないでしょうか。

 

なぜなのか。

私はその理由として3つの課題があるよう思います。

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まず一番目には、"精神面"の要因です。

多くの企業の営業担当者からは「既存客営業が忙しく、なかなか新規開拓の時間が取れない!」等といった声もよく聞かれます。しかし大半の場合、それは言い訳にしか過ぎません。

実際には、(このままの既存客営業でもどうにかなると思い・・)

新規開拓に本気になれず、まだ本格的に取り組んでいない!のではないでしょうか。

特に、既存客営業に強い優良企業であればあるほど、そうした傾向が強いと言っていいでしょう。

一方営業リーダーのみなさんも、「新規開拓は難しいしんどい仕事」だが、「縮小市場を考えれば、新規開拓はやらざるを得ない」と思っている場合が多いよう思います。そこで、いやでも強制的に新規開拓をやらせようとするのですが、おそるおそる始めてうまくいかないと、結局「新規開拓がうまくいかない理由探し」で終わってしまっている。

そのようなケースがあまりに多いよう思います。

 

既存客営業が中心の営業部隊や担当者にとって、新規開拓は未知の活動であり、活動をはじめるには、大きな覚悟と勇気が必要です。その実行の覚悟を迫り、勇気とやる気を"明るく"与えてあげること。そこではじめて新規開拓のスタートを切ることが出来るのです。

いやいやしかたなくやっても、あるいはやらせても、残念ながらうまくいかないと思って下さい。

 

二つ目は、"実践面"の"営業のスタイルの違い"による要因です。

         新規開拓と既存客営業では、そのスタイルは大きく違うのです。

 

それは、勇気を出して恐る恐る新規開拓を始めたものの、従来の営業スタイルから脱皮できないままいつまでも失敗を続け、結局成果を挙げられていないケースにあてはまります。その場合の失敗の一番の原因は

 新規開拓と既存客営業は、全く営業スタイルが異なる!こと。

         ※参照:第一章「既存客営業と新規開拓活動の違いとは」

                 

その違いをはっきり意識し、従来の既存営業から発想を変えて行動スタイルを切り替えなければ、新規開拓に成功することは難しいでしょう。

例えば既存客営業であれば、日頃の営業活動から信頼を得ているなら、アバウトな提案トークでもお客様から聞いてもらえることは出来るでしょう。それが新規開拓となったら、はじめの一分間のトークや質問でお客様から強い関心を引き出せなければ、そこで終わってしまいます。それだけ新規開拓には既存客営業とは異なる一瞬の集中力とスキルが求められるのです。

また既存客営業ではお客様のほうから引き合いが来ることも多いでしょう。ところが新規開拓はそうではありません。スタートする前にどんな事情のお客様をターゲットとすべきか、という点がとても大事になります。市場性や競合との関係を考えながら市場全体をとらえた上でのマーケティング発想が必要ということです。そうでなければ効果的にお客様を開拓できるわけがありません。

ところが、そうした事前の調査分析や準備・訓練をろくにしないまま、とりあえず新規開拓活動にはいってしまう営業部隊もよく見受けます。普段のスタイルを変えることはなかなか難しい。しかしそれでは、うまくいかないのです。

 

三つ目は、"戦略・組織面"の要因です。(個人営業から組織営業への転換が必要!)

 既存客営業と新規開拓の違いは、単に営業のスタイルだけではありません。営業組織のあり方や戦略作戦の有無にも大きく関わってきます。

 従来新規開拓と言えば、会社として新規開拓の方針と目標を掲げたなら、あとは営業担当者個人が自らの意思で考え工夫して、自分で動いて開拓していくというイメージが強かったと思います。

確かに「営業担当者の主体的な行動」が、新規開拓も含め営業活動の前提条件であり、そこから生まれる営業担当者の"熱い思い"があってこそ、はじめてのお客様を巻き込むこともできるでしょう。

但し、市場が成熟しかつ縮小している現在、お客様の求める内容はより高度化する一方で、競合他社との競争もますます激化しています。既存客営業の普段の商談なら、慣れて人間関係も出来ている営業担当者一人に任せる方が効率的であっても、はじめての新しいお客様との関係作りとなれば、そうはいきません。会社全体として、他社では出来ない、素晴らしいお役立ち内容をお客様にはっきり示し、お客様には大いなる期待をもってもらわなければならないのです。

単に商品を提案するといった"せこい"話を超えた、会社のビジョンと展望をもった、お客様に今までにない大きな希望を与える提案です。それがあってこそ、はじめてお客様に新たなチャレンジを促すことが出来、新たな関係づくりを進めることが出来るのです。

さらには、市場全体の変化多様化を読み取り、どの市場に優先順位をつけて、どんなやり方で進めていくのか、そうした戦略作戦も新規開拓においてより重要になってきているよう思います。

そう考えるならば新規開拓は、営業担当者個人ではなく会社全体として組織全体のパワーを発揮できる体制や運営がどれだけ出来ているかどうか、が問われていると言えるでしょう。

 

―新規開拓こそ、お客様を巻き込む未来へ向けたチャレンジ活動―

以上の新規開拓がうまく進んでいかない3つの課題(精神面、実践面、戦略組織面)を挙げました。最後に「新規開拓」活動をどう捉えるべきか、私の考えを改めて述べましょう。それはそのまま、3つの課題を解決するためにも最も大事な考え方です。

 

今日本は急激な人口縮小と社会経済の成熟化、さらには世界経済の不安定化によって、停滞から混迷の時代にはいり、多くの人や企業が「不安」の中にあります。その不安から、なおさら社会が委縮し自ら停滞を深めていると言っていいでしょう。であるからこそ、目指す我が理想を掲げ、勇気を持って自ら未来を切り開くための活動をスタートさせる。それがこの社会を覆う閉塞感を打破するために、何より求められているのではないでしょうか。

 

実は「自ら、未来を切り開く」と言う気概こそが、新規開拓を成功させる一番大事なものと思います。なぜなら、新規開拓とは、自らの未来へ向けたチャレンジによってお客様を巻き込み勇気付け、お客様に未来へ向けたチャレンジを促す活動だからです。

言い換えれば、新規開拓とはまさに『未来を切り開く』活動そのものです。

掲げたビジョンが大きいほど、そしてビジョンへの"熱き思い"が大きければ大きいほど、お客様をはじめ周囲の人達を大きく巻き込むことができ、一緒に大きなチャレンジをすることができる。だから大きな成果を期待出来る。そればかりか、その行為を通して自らの変革を実現することが出来るのです。

 

だからこそ、新規開拓は営業担当者個人に任せるようなものではなく、まずトップやリーダーのみなさん自身が"熱き思い"を持って主体的にリードしていくべき『戦略作戦』活動と思います。

 

このブログでは、上記3つの課題解決を念頭に置きながら、トップ・リーダーの皆さんが主体的に営業部隊の新規開拓活動を指揮して、大きな成果を上げるためのやり方を具体的に解説していきたいと思っています。

 

以上

 

参考ブログ:

・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」

     http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html


追伸:

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このページは、CBC総研が2013年10月13日 11:40に書いたブログ記事です。

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