前回、『営業の成果の出る方程式』についての簡単な説明をしました。今回はその『成果の出る方程式』に合わせた『新規開拓の作戦立案ステップ』について、ステップ毎に解説していきたいと思います。
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<前回参考>
―『成果の出る方程式』による「新規開拓の作戦立案ステップ」―
★成果の出る方程式
『自信と信念』×『土俵』×『攻め方』×『攻める量』×『意欲』
「自信と信念」:
ステップ1:【提案ストーリーの鮮明化】
・自信と信念を持った新規開拓の武器を用意し、「提案ストーリー」を作る
↓
「土俵」:
ステップ2:【ターゲット市場の分析と見込み客の選別・優先順位づけ】
・新規開拓の的確な市場(顧客層、商品分野)を選定する
↓
「攻め方」:
ステップ3:【土俵毎での作戦シナリオと方法論作り】
:{攻め方(方法論の検討)}
・対象とする市場に合わせた『攻め方』(新規開拓のやり方)を練り上げる
↓
ステップ4:【作戦に合わせた組織体制とチームプレーの設計】
:{攻め方(体制づくり)}
・『攻め方』に合わせた組織体制をつくる
↓
「攻める量」:
ステップ5:【作戦の実行スケジュールの作成と推進管理体制づくり】
・練り上げた「攻め方」を誰がいつまでに実行するのかを決め、
その管理運営のやり方まで決める
↓
「意欲」:
ステップ6:【やる気アップとコミュニケーション・実践教育方法の設計】
・最後に、新規開拓に『めげず』『明るく元気』に取り組むための、
組織的な仕組みや工夫を考える
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―「成果の出る方程式」に沿った、
「新規開拓の作戦立案ステップ」の説明―
ステップ1:【提案ストーリーの鮮明化】{自信と信念}
・新規開拓では、相手のお客様には、はじめてお会いするだけに、私たちのお客様に対する目的がなにより大事になります。お客様に当社と取引する意義価値とメリット満足内容を鮮明に分かりやすく、言葉として伝える必要があるということです。
・その言葉に「自信と信念」がどれだけ持てているのか、お客様から(厳しく)問われていると言ってもいいでしょう。
・その思いと熱意を営業メンバー全員が持てるための「新規開拓の目的と狙いの明確化」と「提案ストーリー作り」が、新規開拓を作戦として立案する第一ステップとなります。
①新規開拓の目的と狙いの明確化。
及び自社の強み・こだわりとビジョンの鮮明化
・どんな作戦にも目的がなにより重要です。今回の新規開拓は何のために行うのか、と言う目的と狙いをはじめに明確にします。自社の置かれているビジネス環境と自社が目指す方向、新規開拓によって得たいと思っている成果や効果、メリット。関わるメンバーにとっての意義価値等。目的を明確にすることで、みんなの意識を統一させ、実行に向けた強いモチベーションをしっかりもってもらうのです。
・またその上で、自社の強みこだわり、さらにはビジョンを鮮明にしておくことも重要です。それは営業のモチベーションだけでなく、実際に初めて会うお客様に自社事業のコンセプトをよりわかりやすく説得力もって語れることが大事になるからです。一人ひとりの営業担当者に、自社の強みこだわりとビジョンに対する『自信と信念』を、建前ではなく本気で持ってもらわなければなりません。
②武器となる具体的な提案物(商品サービス)の準備と磨き上げ
・一方で新規開拓を成功させるために、武器となる魅力ある提案物を用意します。単に今ある商品サービスを選択するのではなく、自社の商品サービスを今一度見直し、新規開拓を成功させるために、より魅力あるものとして磨き上げていくことが必要でしょう。ネーミング、パッケージといったすぐ手直しできることから、品揃えから商品改良まで、事前に考えられる出来る限りの見直しをするのです。
③3つのコンセプトとトークストーリーの作成
・①②の準備を経て、新規開拓での提案ストーリーを整理します。
提案内容には、具体的に3つのコンセプトが考えられます。一つ目は自社の強みこだわりと将来へビジョンを語る『事業コンセプト』、次にそれに紹介する具体的な商品サービスの『提案コンセプト』、最後はお客様に喜んでいただいた姿を実例として語る『ナレッジコンセプト』3つです。そのコンセプトを実際の提案のためのセールストークとして鮮明にストーリー化するのです。
・実際に新規開拓活動に入るなら、すぐにセールストークの巧拙が問われることになるでしょう。ですから事前の練り上げとともに、活動に入った後での引き続きの見直し、改善は特に重要です。
(※提案ストーリーとセールストークについては、今後のブログでその作り方を解説する予定です。)
ステップ2:【ターゲット市場の分析と見込み客の選別・優先順位づけ】{土俵}
・新規開拓であるからこそ、提案ストーリーがぴったり合う市場を見極める戦略的な決
断が重要です。その市場の選択によって新規開拓の成功、失敗が分かれると言っても
いいでしょう。そのため本格的な新規開拓活動に入る前に、対象とする市場の調査と
分析を行うのです。
・市場全体から区分けし細分化した見込み市場、さらに見込み市場での対象となる見込み客毎の事情といったように、大から中、中から小と調査分析を進めることになります。
その調査分析からアプローチの優先順位を付けるとともに、次のステップで、具体的な市場状況を踏まえた、より的確な作戦検討を行えるようにします。
(※「ターゲット市場の分析と選別」についても、今後のブログで解説する予定です。)
④対象となる市場全体の調査分析(マクロ分析)
・業界、企業規模、業績、活動内容、エリアといった要素で、対象として考えられる顧客層をリストアップし、その動向や特性を整理します。事前に既存の営業活動からのマーケット情報や一般の経済情報、あるいは業界ごとの専門情報などを収集し、あらためて全体状況を整理し分析することからはじめます。
・この段階では、対象となる個別顧客や提案商品を具体的には決めつけず、自社が置かれている状況から、今後新たに攻めるべき市場を洗い出すまでのマクロ的な全体的な分析が目的です。このため、洗い出された市場によっては、あらためて『ステップ1』の新規開拓の武器や『提案ストーリー』から見直さなければならない場合もあるでしょう。
⑤ターゲット市場の設定と区分け(セグメンテーション)、詳細分析
・市場全体の分析から、次は実際にターゲットとすべき市場を設定します。このため、対象市場を『業界』といった大きなくくりで終わらせず、より細分化した区分け(セグメント)を行ったうえ、その区分けされた顧客層毎を想定して、より詳細な分析を行うことが大事になります。
・例えば飲食業界が対象とするなら、飲食全般といった大区分だけでなく、和食・洋食・中華・その他といった区分けからさらに細分化すべきでしょう。企業規模では、大手チェーン店、中小店、有名老舗店。また高級店と低価格店、都心部か地方商圏か、駅前かロードサイドか・・といった細分化した区分けが必要になる場合も多いでしょう。
ここでは具体的な見込み客名を何軒か想定しながら検討したいと思います。
⑥見込み客のリストアップと優先順位づけ、および販売目標の仮設定
・ある程度対象とする顧客層が絞られてきた段階で、主な見込み客をすべて挙げて、一社一社の事情を分析することが必要になります。その上で、ターゲット市場の優先順位をつけ、さらに一件毎の実際のアプローチの優先順位をつけます。
ホワイトボードを使って書き出すとか、大きな用紙に一覧にしてリストアップする、といったやり方が有効でしょう。みんなで対象となる見込み客すべてを確認しながら議論するという形をとっていくといいでしょう。
・但し、この段階では個別の見込み客毎にどんなやり方をすべきかを具体的に検討するというのではなく、優先順位をつけるための分析と思って下さい。
(この段階であまりに各論の方法論に入ってしまうと、議論が拡散してしまい、収拾がつかなくなる可能性があるので、気をつけましょう。)
・またターゲットとする市場規模を想定するため、見込み客毎の販売目標を仮計算することも必要でしょう。
ステップ3:【土俵毎での作戦シナリオと方法論作り】
:{攻め方(方法論の検討)}
・ここから見込み客へ向けた開拓作戦の検討に入ります。実際には、区分けされた見込み客の違いによって、作戦内容は大きく変わる場合が多いでしょう。
・見込み客市場毎の作戦内容とポイントを整理した上、その方法論を商談プロセスと言う時間軸を持った実際の活動ストーリーとして作戦シナリオに組み立てていくことになります。
・そこでは実際の活動方法の工夫とともに、提案書やデモサンプルなどの道具の用意、販促キャンペーン等の仕掛け仕組み、さらには組織的なチームプレーのやり方などが検討されることになるでしょう。
⑦区分けされた市場毎での作戦検討と成功条件の明確化
・区分けされた市場毎、ここから具体的な作戦検討に入ります。と言っても市場の特性の違いで作戦の内容や成功条件は大きく違うと思って下さい。例えば、自社の事業紹介方法や提案内容の訴求ポイントは、顧客の事情ではっきり変わるはずです。またキーマン、購買手順、購買条件なども顧客特性で大きく異なる要素で、それにあわせて営業の進め方も変えなければなりません。展示会などの仕掛け等も一律では難しいでしょう。
また商談プロセスも、少ない訪問回数で出来るだけスピーディに商談を進めることが大事になる場合もあれば、じっくりトップキーマンや技術キーマンを巻き込んで、大きな取引をめざすことが求められる場合もあるでしょう。
・そうした作戦内容や商談プロセス、あるいは具体的な方法論での大事なポイントをターゲットとする市場毎に洗い出し、整理するのです。この段階では、まだ項目的なテーマやアイディアレベルでかまいません。具体的な内容を詰めていくのは次の段階です。
例:
◎市場特性(想定されるお客様の事情)
⇒求められる作戦、活動方法の工夫と成功ポイント
・トップキーマンの決断が何より大事 ⇒トップ商談の場を作って、そこで決めてもらえる仕組みづくり(トップ提案会と巻き込みの仕組み)
・現場の問題点の詳細情報の収集と分析
⇒現場診断キャンペーンの実施
(専門診断メンバー育成と資格制度づくり)
・競合対抗、現場の信頼と支持 ⇒現場での競合比較デモ・モニターの実施
⑧区分けされた市場毎での商談プロセスの設計
・⑦でおおよその作戦内容や成功ポイントがはっきりしたところで、その内容を踏まえて、どんな商談の進め方をすればいいか、商談プロセスを設計します。ここでは初回訪問、第二回訪問とフォロー訪問、提案の山場となる商談、提案後のフォロー(訪問)・・といったように、訪問によって進める商談ステージを設計すると思って下さい。
⑨商談場面毎での具体的な活動方法の整理
(商談の流れ、提案聞き込み方法、応酬話法、競合対抗等・・・)
・⑧で商談の全体の進め方がプロセスとしてはっきりしたところで、一回の商談(ステージ)毎で、どんなやり方をするのかを検討します。
アプローチ、プレゼンテーション、応酬話法、クロージングといったように、一回の商談でも、その進め方にはプロセスがあるでしょう。一回毎の訪問の目的と、訪問時間に沿った進め方を整理するのです。
・すべての商談場面を詳細に検討するのは大変ですので、重要度の高い場面を特に重点的に検討すべきでしょう。例えば一般的には、事前準備段階、初回訪問(アポイントも含む)場面、デモ等の仕掛けをする場面、本格提案場面、トップ商談場面、技術商談場面、最終折衝場面等が考えられるでしょう。
⑩商談を効率効果的に進めるためのツールと『仕掛け仕組み』つくり
・⑨によって、具体的な商談のやり方がはっきりイメージ出来てきたところで、商談で使う提案書や資料、デモ機、サンプル類を検討し、準備を進めます。
・また、提案展示会などの仕掛けについても、どんな運営方法をとるのか、事前に検討し準備を進めるようにします。
ステップ4:【作戦に合わせた組織体制とチームプレーの設計】
:{攻め方(体制づくり)}
・作戦内容がほぼ固まったなら、どんな体制で新規開拓を進めればよいかを検討します。商談プロセスに沿った営業部門だけでない様々な部署の参加者とチームプレー方法の確認。その上での新規開拓に求められる組織編制の見直し。さらに全社組織としての役割分担や運営方法の明確化と言うステップで検討していきます。
・チームプレーのあり方を事前にしっかり設計し、参加メンバーで共有してこそ、新規開拓をスムーズに進めることが出来ます。こうしたチームプレーを出たとこ勝負で行っているために、新規開拓が途中でうまくいかなくなっているケースの多いのです。
⑪商談プロセスに沿った主な商談場面毎でのチームプレーの設計
・商談プロセスに沿って、誰と誰がどんなチームプレーをすればいいかをあらためて確認します。その際、営業部隊内の営業担当者やリーダーのチームプレーも大事ですが、商談の要所での関連する専門部署のメンバーや外部の協力企業との連携が大事になる場合も多いでしょう。
・この場合、商談場面を特定すると、よりリアルな役割分担とチームプレーのやり方が考えられます。例えば、商談の山場でお客様側にトップキーマンと技術の統括責任者がいると想定されるなら、当社としてはどんなメンバーでどんな商談を進めればいいのかを検討する、といったことになります。そうなれは、チームプレーをよりスムーズに進めるため、社内での事前のコミュニケーションや検討会あるいは商談準備が改めて重要なことがわかるはずです。
⑫作戦を踏まえた営業部隊及び全社での組織体制の見直し
・⑪からどんな組織編制が望ましいのかを検討します。営業部隊としては、拠点内での営業担当者、チームリーダー、拠点長による営業推進体制、さらに営業統括責任者のトップ営業を成功させる連係体制の検討が大事でしょう。
・一方社内関連部門の専門担当者との連携も新規開拓を成功させるためには大事なポイントです。具体的には技術営業サポートメンバーとの連携。その他業務・生産・物流・開発部門等との連携のための体制づくりといったことになるでしょう。
⑬全社、営業チーム内の役割分担と連携方法の明確化
・そうした新規開拓のための体制が考えられたところで、あらためて各部署各人の役割分担を明確にするとともに、それぞれのコミュニケーションや連係プレーのやり方をはっきりさせます。
ステップ5:【作戦の実行スケジュールの作成と推進管理体制づくり】
:{攻める量}
・ここまで来て作戦を実際の時間スケジュールに落とし込みます。他方で新規開拓による成果目標を、スケジュールのタイミングを計って設定します。最後に作戦の進捗を管理し対策をタイムリーに打てる管理の仕組みを考えます。
⑭新規開拓作戦の全体スケジュールとスケジュール毎での達成目標の設定
・商談プロセスのステップを前提に、どの顧客層にいつから新規開拓のアプローチをスタートさせ、成約と言うゴールに至るまでに、いつまでにどんな達成状態を実現するのか、そのスケジュールを作成します。このためには、商談の成約率も想定しなければなりません。
たとえば、4月から毎週10件のアプローチをスタートさせ、6月までに120件の新規開拓アプローチを完了させます。その中で10%の成約を目指すため、アプローチから1か月での継続見込み客率を30%、2か月目でその半分15%、として計算し、4月の継続見込みフォロー客を12件、商談ステップとして○○、見込み客ランクとしてSランク客を4件、Aランク客を4件、その他4件を途中経過目標とする・・といった具合です。
⑮個別見込み客毎の行動目標と情報及び進捗管理の仕組みづくり
・一方リストアップされた見込み客一件毎に対する商談スケジュールを想定した行動目標を設定します。そしてその行動によってどこまで商談が進んだのかが一目でわかるような進捗管理の仕組みを考えます。
・最近は営業情報化が進んでおり、日々の活動の結果をきちんと入力すれば、その結果が一覧でとらえられるシステムが出来ていますので、そうしたシステムを活用するのも有効でしょう。手書きであるなら、少なくとも見込み客一件毎の商談プロセスの進捗状況が一目でとらえられるようにしましょう。
⑯組織的な運営管理方法の設計
・個別商談の管理だけでなく、営業活動全体を管理運営するための仕組みを見直
します。
・日報、週報、月次管理資料といったこれまでの管理帳票に新規開拓活動が管
理できるように修正します。またすべての商談案件を管理するための『商談
案件進捗管理一覧表(仮称)』は必ず作成しましょう。そしてそうした管理帳票
の活用方法も今一度見直しをします。
・一方日々の商談ミーティング、週ミーティング、月次会議等のやり方も、新規
開拓活動に重点化して見直しすることになります。
ステップ6:【やる気アップとコミュニケーション・実践教育方法の設計】
:{意欲}
・新規開拓のやる気を高め持続させるためには、精神論をぶつのではなく、具体的な対策の工夫が大事になります。『管理』の視点ではなく、やる気アップ、能力アップのための対策を作戦の中に組み込むのです。
・また作戦を一方的に上から命令形式で押し付けても、うまくいきません。自分たち自身の作戦でなければならないのです。そのため新規開拓作戦の中身は『作戦書』としてみんなで整理して共有し、活動を通してその作戦内容を検証し、見直していくようにします。
⑰新規開拓のやる気を引き出しながら実践教育を進めるやり方検討
・前章で説明した『新規開拓ウェイ』はみんなで共有しましょう。またおたがいでの日々の声掛け・アドバイスを現場リーダーが率先して実行して、みんなが自主的に日常的にコミュニケーションをとる風土を作っていきます。またリーダーとしては、営業担当者との商談レビューも大事な役割です。特に新規開拓の場合、日々での状況確認とスピーディな対策がポイントとなりますから、日々部下からの報告を 受けながらの商談レビューは必ず毎日行うことが重要です。その商談レビューを通して個々の場面に適応した実践指導や教育をするのです。
・営業どうしのアドバイスや連携が自然にできるようになるのが理想でしょう。そこまでいかなくとも作戦ミーティングをできるだけ営業部隊やセクションみんなで行い、お互いの活動の現状と作戦への深い理解を共有化していくようにします。その場合、ロープレ等のお互いにオープンに交流し合える実践教育をあわせておこなうことが有効でしょう。
⑱成功事例の共有・横展開の仕組みとルール化づくり
・新規開拓では仮説を立てて実行してみて、正解を見出していくと言う活動ですから、成功事例が出たなら、その情報をみんなで共有して他の見込み客へ向けた新規開拓に横展開していけるようにすることが、組織的にも重要です。
・そこで作戦ミーティングの際には、最近の成功事例を担当営業マンに発表させて、その成功要因を分析し横展開させるようにします。そうした指揮指導はやはりリーダーの役割でしょう。
⑲表彰、報償、評価制度との連動
・表彰は金銭的なメリットより名誉にかかわるものであり、「やる気」を大いに高めます。そこで日々、週単位、月間、期間といった基幹単位での表彰制度を作り、些細なことでも『ほめて称える』仕組みを作るのです。
・報償制度は金銭的な仕組みですから、ルールをはっきりさせて、期間毎での営業担当者単位、グループ単位を対象として実施します。但し、報償制度については、やり方次第でプラスにもマイナスにもなりますので、注意が必要です。
(『報償制度』のやり方については、今後あらためて解説したいと思います。)
・評価制度は、人事制度全体とかかわることであり、新規開拓をしっかり営業活動の中心的な作戦として位置づけるならば、評価制度の見直しは必須でしょう。
(新規開拓に関わる評価制度のあり方についても、今後あらためて解説したいと思います。)
⑳上記内容の『作戦書』つくりと全員での作戦内容の共有化、日々の確認検証。
・以上、新規開拓作戦として検討してきた内容は、「新規開拓作戦書」として言ってのフォーマットにまとめ、みんなで確認して共有できるようにします。実際には、リーダーが骨子や部分的な内容を考えておき、その内容を基に、新規開拓に参加する全員でその内容を詰めていくと言うやり方がいいでしょう。
・作戦を立案する段階から、みんなが主体的になって取り組むチームプレーが大事であり、そのことで作戦自体が一人ひとりの自分のものとなり、何が何でも成功させるという気持ちでみんなが一緒になれることが大きな効果を発揮するものと思います。
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[新規開拓の作戦立案ステップ]
1.【提案コンセプトの鮮明化】:{自信と信念}
①新規開拓の目的と狙いの明確化。
及び自社の強み・こだわりとビジョンの鮮明化
②武器となる具体的な提案物(商品サービス)の準備と磨き上げ
③3つのコンセプトとトークストーリーの作成
2.【ターゲット市場の分析と見込み客の選別・優先順位づけ】:{土俵}
④対象となる市場全体の調査分析(マクロ分析)
⑤ターゲット市場の設定とセグメンテーション(区分け)、詳細分析
⑥見込み客のリストアップと優先順位づけ、および販売目標の仮設定
3.【土俵毎での作戦シナリオと方法論作り】:{攻め方(方法論の検討)}
⑦区分けされた市場毎での作戦検討と成功条件の明確化
⑧区分けされた市場毎での商談プロセスの設計
⑨商談場面毎での具体的な活動方法の整理
(商談の流れ、提案聞き込み方法、応酬話法、競合対抗等・・・)
⑩商談を効率効果的に進めるためのツールと『仕掛け仕組み』つくり
4.【作戦に合わせた組織体制とチームプレーの設計】
:{攻め方(体制づくり)}
⑪商談プロセスに沿った主な商談場面毎でのチームプレーの設計
⑫作戦を踏まえた全社及び営業部隊での組織体制の見直し
⑬全社、営業チーム内の役割分担と連携方法の明確化
5.【作戦の実行スケジュールの作成と推進管理体制づくり】
:{攻める量}
⑭新規開拓作戦の全体スケジュールとスケジュール毎での達成目標の設定
⑮個別見込み客毎の行動目標と情報及び進捗管理の仕組みづくり
⑯組織的な運営管理方法の設計
(日報、週報、月次管理資料、案件進捗管理一覧表。日々の商談ミーティング、週ミーティング、月次会議、)
6.【やる気アップとコミュニケーション・実践教育方法の設計】:{意欲}
⑰新規開拓のやる気を引き出しながら実践教育を進めるやり方検討
(『新規開拓ウェイ』、日々の声掛け・アドバイス、商談レビュー、
営業どうしのアドバイス連携、作戦ミーティング、
ロープレ等の実践教育・・)
⑱成功事例の共有・横展開の仕組みとルール化づくり
⑲表彰、報償、評価制度との連動
⑳上記内容の『作戦書』づくりと全員での作戦内容の共有化、日々の確認検証。
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以上
参考ブログ:
・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
追伸:
新規開拓のやり方や困っていることへの質問をお待ちしています。
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