リーダーの『新規開拓』1-⑥-2(番外編1:「逆境こそ、チャンス」の理由とは)

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新規開拓の今回は番外編です。

 

【番外編:1】

―「逆境こそチャンス」とわからせているか!―

 

新規開拓活動をはじめるに当たって良く聞く反論が「こんな景気が悪くて、既存客の業績だって厳しいのに、新規開拓なんて、とても無理です!」という言い方です。

その通りと言いたいですが、私は、むしろその逆のことを言いたいのです。

「景気悪く、既存客の業績が落ちてきている今こそ、チャンスがある!このチャンスをものにしたいからこそ、新規開拓をはじめるんだ!」

「ピンチこそ、チャンス!」とよく言われますが、それは決して精神論や根性論ではありません。実際、新しい商材や企画を開発し一気に市場を広げていった新規開拓の成功話の多くが、既存営業中心に動いている人たちから見るなら、逆境での苦し紛れの起死回生策が当たったようにしか見えない場合も多いのです。

 

<ブログ目次>

【新規開拓事例:拠点閉鎖直前で、新規開拓を成功させたM拠点の話】

―追い詰められたM拠点の武田所長の決断―

―新規開拓に成功した理由とは―

<『逆境こそ、チャンス!』の理由とは>


ここで私がお手伝いした、ある地方営業拠点の話をしましょう。

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【新規開拓事例:拠点閉鎖直前で、新規開拓を成功させたM拠点の話】

 

―追い詰められたM拠点の武田所長の決断―

従来取引の大口客を有力な大手競合他社に取られ、拠点存亡の危機にさらされてしまった企画サービス会社のM営業拠点の話です。拠点の売り上げが約半分になってしまったため、会社としては、このままでは拠点の閉鎖もやむなしという結論を出しました。

しかしM拠点の武田所長(仮称)は地元出身であり、拠点の閉鎖は即自分だけでなく自分と同様の多くの地元出身の部下の失職を意味します。そこで、これまでは大口客の売上に依存していて、ほとんどやってこなかった新規開拓活動を徹底的に実行することにしたのです。猶予期間は6カ月。

M拠点を除く社内の誰もが、現在の状況から新規開拓はかなり難しいと思っていました。業績の悪化しているM拠点ならなおさらと言う感じです。

ところが、武田所長を中心に必死に新規開拓を進め、なんと6カ月後には競合他社に取られた分をほぼ挽回するところまで、業績を回復させることが出来たのです。社内では、奇跡のようにとらえられました。

 

―新規開拓に成功した理由とは―

ではなぜ新規開拓に成功したのか。

一つには、武田所長や部下メンバーがギリギリに追い詰められて、武田所長のリーダーシップのもと、メンバー全員が必死になって新規開拓活動に打ち込んだことがあげられるでしょう。それは無視できない大きな要素です。

しかしそれだけではありません。一番の成功ポイントは、これまでの既存商材の商品サービスをすっぱり捨てて、今まで自社ではほとんど扱っていなかった、業界でも新しいテーマの商品サービスを独自に企画し、その販売に徹底したことです。

 

「これまでにない、他社様がまだ扱っていない全く新しい商品サービスです。当社が自信を持ってご提案します。御社にとって、こんな○○といったすばらしいメリットがあるはずです!」

 

武田所長としては、従来テーマの商品サービスでは、お客様にとって魅力が薄く、その提案では新規開拓が難しいことはわかり切ったことでした。ですから、その地区では競合他社がまだ本格的に扱っていなかった"新しいテーマ"に挑戦するしかなかったのです。リスクがあってもそれしかない!と思ったそうです。

それが時流にぴったりあって、競合他社をしり目にいち早く新規開拓を成功させ、拠点の存続を勝ち得たばかりか、その地域でのM拠点の取引企業を大幅に増やすことになりました。それが市場ポジションを高め、その後の業績拡大のきっかけになったのです。

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ここで、『逆境こそ、チャンス』の理由をあらためて整理してみました。もう、逆境を言い訳にするのはやめましょう。そこにむしろチャンスがあると思いましょう。

但し、そのチャンスをものにするのは、あなたとあなたの営業部隊のメンバー以外にいないと思って下さい。だから困難もあると思いますが、きっとやりがいも大きいはずです。

 

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<『逆境こそ、チャンス!』の理由とは>

①誰もが、変わらざるおれない状況である。

  ・逆境ということは、時代の変化がおこり既存分野が落ちてきて、これまでのやり方や体制がうまくいかなくなっているから、だれもが変わらざるおれない状況にあるということ。言いかえれば、周囲に新しいことを求める人たちが確実にいるということである。

  その新しいことを求める機運にぴったり合うような、新しい切り口の提案が出来、信じて熱意もって提案出来るなら、関心を持ってくれるお客様はかならずいるにちがいない。だからそこにチャンスが生まれることになる。

 

 ②逆境と思っている競合他社に、先手を打つことが出来る。

 ・そこでのテーマは、新しい時代に求められることなので、その後多くの人達に広がり大きくなっていく可能性も高い。そこで競合他社が逆境と思っているうちに手が打てるなら、競合他社に先駆けることが出来る。みんなが逆境だと思っている時こそが、実は新しいことにチャレンジするチャンスである。

  M拠点の新規開拓は、まさにその典型的な成功事例である。

 

 ③安定した強い競合他社には、手を出しにくいテーマである場合が多い。

 ・一方既存の大手競合他社には、その"新しいテーマ"はなかなか手を出しにくい場合が多い。なぜならそのテーマは既存分野での自社の主力の商品サービスを否定し、これまでの自分達の有利なポジションを脅かすものだからだ。安定した優良企業ほどあたらしいことには動きが鈍くなりやすいものである。

  だから、自社が逆境にあればある程、競合他社と比べて自由に動けることで優位に立つことが出来る。

  M拠点で扱った"新しいテーマ"もまさに、そうした内容であったため、大手競合他社が躊躇している間に、先駆けて動けたと言えるだろう。

 

 ④逆境で、新しいチャレンジに本気にならざるをえない。

・また逆境であるだけに、自分たちも従来のことにこだわらず、新しいことにチャレンジするしかない状況になっている。部下達に新しいチャレンジをさせるいい機会だ。

真剣に本気で取り組まざるおれなくなるからこそ、成功確率も高まるし、そこから新しい創造が生まれる可能性も高い。

 

 ⑤周囲の人や企業も真剣になっている。その真剣な者同士のネットワークを作ることが出来る。

 ・自分達だけでなく、周囲の人や企業も逆境で苦しい。過去にしがみついている企業、価値のない企業が厳しく選別され、本物だけが生き残って社会の新陳代謝がおこるだろう。

一方で、逆境をはね返し未来への希望を持ってチャレンジしたいと思っている、やる気のある未来志向の人や企業を、"新しいテーマ"に集める事が容易になる。

そうした本気で腹を据えた真剣なネットワークがつくりやすくなっている。

M拠点の場合も、その"新しいテーマ"に合わせて、新たな取引先とのタイアップ企画を発足させ、その企画が、"新しいテーマ"の拡販にも、大いに貢献したのである。

"新しいテーマ"を持った活動が、新しいネットワークを作り広がっていく可能性は高い。

 

 ⑥逆境は、自分達を鍛えてくれるチャンス!

・順境では、うまくいくのが当たり前、言われたことを従来通り一生懸命やっていれば、結果はついてくる。逆境はそうではない。先は見えず、正解もない中で自分を信じて、自分で考え、自分で行動して、試行錯誤しながら成果をものにしていくしかない。その厳しく苦しい経験こそ人と企業を鍛え、次の成長につながっていく。逆境は人と企業を鍛えるチャンスである。

 M拠点がその後、優良拠点として大変身できたのも、武田所長をはじめメンバーみんなが、逆境を乗り越えた経験によって大きく成長できたことが大きかっただろう。

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(※現在、アベノミクス等もあり、日本経済はようやく少し上向きつつある状況と言ってもいいでしょう。今後さらに上昇していける企業は、これまでの逆境のうちに、新規開拓や新規事業等新たなチャレンジを競合他社に先駆けて仕掛けていた{・・あるいはしっかり準備をしていた}企業ではないでしょうか。ここにきて、その差が大きく表れて来ているよう思います。だからこそ「逆境はチャンス!」とあらためて言いたいのです。

まだまだ日本のビジネス環境は逆境といえますし、今後も急激な人口減と社会の成熟化の進行を考えるなら、逆境はさらに続くと考えるべきでしょう。だからますますチャンスは広がっているはずです。

上記の6つの「逆境こそ、チャンス!」の理由をあらためてかみしめながら、私も皆さんと一緒にチャレンジしていきたいと思います。)

 

                                                      以上

 参考ブログ:

・「『実践:新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」

     http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html


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このブログ記事について

このページは、CBC総研が2013年9月29日 11:27に書いたブログ記事です。

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