先日(2013.9.18)りそな総研様にて、『新規開拓を絶対成功させる!やり方はこれだ!』営業セミナーを実施させていただきました。
その際、テキストには書かれていなかった、いくつかの説明をあらためてブログに載せたいと思います。
今回は、「最新の価格交渉の考え方と対策」についてです。
最新の価格交渉の考え方
以前のビジネス環境であれば、価格交渉は最後の段階であり、その段階になるまで価格の話は出来るだけ後にする、と言うのが価格交渉を有利に進めるやり方でした。しかし縮小市場がどんどん進む一方で、末端市場での価格競争が激しくなっている現在、交渉においては価格の要素が従来と比べて比較にならないくらいに高くなっています。そこで事前の価格対策がとても重要になっているのです。
但し、ここまで述べてきたように、価格中心の商談では新規開拓や新規受注が取れるわけではないことは、今まで通りと思って下さい。
そこでここでは、最新の価格交渉対策について、最近の実例を踏まえてまとめてみました。ここに挙げた内容は、基本的なことですが意外に出来ていない場合が多いのではないでしょうか。小手先の対策ではなく、会社全体としての体制づくりと一人ひとりの営業担当者及び営業リーダーの細心の準備と心構え、先手を打った実行がなにより求められているよう思います。
<最新の価格交渉対策として>
①事前のコスト対策を全社的トータルな視点で、徹底的な形で準備しておく。
・それだけ、世の中全体がコストにシビア―になっているということ。新規開拓でターゲットとするお客様と提案内容が想定されたら、競争相手のことも考えて、どこまでコスト競争できるか、事前に仮計算までして目安をつけておく。
・初回訪問で、相手から価格を問われて、曖昧な言い方しかできないとか、高いと思われてしまったなら、その後に続かなくなってしまう危険が大きい場合もあるので気をつけたい。
・その場合、単に一般的な製造コストだけでなく、設備の稼働状況や、原材料の市況単価、ロットと費用、配送・梱包費など、コストに関わる様々な要素を検討すべきだろう。そうなると、営業部門だけでなく、全社として関わる部門が一緒になって検討することが必要になる。そうした全社コスト対策を推進できる体制づくりも、新規開拓で成功する大きなポイントだ。
②出来るだけ早い段階で、相手の予算や価格に関する情報を入手し、スピーディに柔軟に対策が打てるようにする。
・同様に、実際の商談がスタートした後も、出来るだけ早く営業担当者は、相手のお客様から予定している予算や価格を聞き出す。また競合他社が提示するだろう価格情報も、出来るだけ早めに入手して、的確な価格対策が柔軟に出来るようにしたい。
③営業担当者も、トータルなコスト計算が出来る能力を身に着けておいて、商談場面でぎりぎりの判断や提案が下せるようにしておく。また、お客様を巻き込んでの柔軟なコストダウンの工夫ができるようにする。
・結局コストに関しては、ぎりぎりのところでの判断が大事になる場合が増えている。
このため、商談のいざという場面で、営業担当者がトータルなコスト計算が出来て、きちんと利益が残せる条件での交渉が出来ることがとても重要になっているケースが多い。
・その場合、お客様にも協力してもらい、ロットや納期、一部の機能の見直し等で、お客様の要望するコストを実現できるようにする、といったことを営業担当者が出来るなら、交渉の大きな強みになるだろう。
④新規開拓では、「当社は、値段は安いです!ご安心ください」が大前提。
・「値段が高いが、物はよい」と言うのは、新規開拓ではほとんど通用しない。だから「値段は安い!」とはじめは言い切らなければならない。その上で、「トータルメリットと比べ、(他社の同等品と比べたら・・)間違いなく安い!」と言えばよい。
競合他社より高くて、メリットもたいしたことない、なんてことなら、そもそもお客様が新たに購入するわけがないのだから、自信を持って自社の良さとその良さから生まれた今回の提案内容を語ればいいのである。
価格は安いと言っても、価格のことばかり話すのではなく、価格については安心してもらったうえで、自社と自社が今回提案する内容について、その良さメリットをじっくり説明すると言うことだ。
⑤但し、価格では新規開拓は成功しない、と肝に銘じる。
・確かに価格に敏感になっている顧客は多いし、その価格を無視して商談を進めることは難しい場合が多くなっている。しかし、とはいってもお客様は、価格で取引を始めるかどうか、決めるわけではない。やはり「これからの期待」に賭けて、取引を始めるのである。
・万一価格優先で新規開拓に成功しても、次の段階では、価格で既存競合先に取り返されてしまうだろう。価格だけで取引した客は、価格でとられてしまうということだ。
・またそうした価格しか考えない、せこい顧客では、将来性は低いし、価格を下げたために利益も出ないと言う場合も多い。それでは口座を作ったことが、むしろ業績の足を引っ張ることになる。だからそれは結局失敗と言うことだ。
だから価格は、あくまで必要条件である、と思ってほしい。価格ではない将来へ向けての意義価値、メリットを相手に分かってもらうのが、何より大事なのである。
以上
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㈱クリエイティブビジネスコンサルタンツ 総合経営研究所
(略称:CBC総研)
代表取締役 山川 裕正
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