前回、新規開拓がうまくいかない３つの課題をあげました。そこで今回は、その３つの課題のうち、はじめに問題になる【精神面の課題】について、解説しましょう。
新規開拓を始めるにあたっては、取り組みの考え方が何より大事です。それはまずは『新規開拓は、素晴らしい仕事！』と思えるかどうか、です。もしそこに少しでも疑念が生じるなら、どんなに頑張っているように見えても、うまくいくことはないでしょう。
新規開拓に対する強い信念を営業部隊に浸透させ導くのは、トップ・リーダーのあなた以外ありません。
ここで書かれた文章を営業担当者の皆さんも含め、出来れば全員で読んでいただいて、新規開拓に対する思いを強く持っていただけたらと思います。
第一章：新規開拓は、素晴らしい仕事！
１：『新規開拓ウェイ』。なにより"明るく元気！"
《事例：ある新規開拓のコンサルティング場面にて》
「こんなに頑張っているのに、もっと頑張れというんですか！？」
―リーダーは営業のマイナス思考を取り除き、勇気づけよう！―
【新規開拓ウェイ】―新規開拓は素晴らしい仕事―
【宿題①】：
第一章：新規開拓は、素晴らしい仕事！
１：『新規開拓ウェイ』。なにより"明るく元気！"
「『新規開拓』でなにより大事なことは、何か？」
先日、新規開拓をガンガンやってきた営業部長さんとお話ししていて、上記質問への答えが二人で一致していたので、なにやら嬉しくなりました。
それは "明るく元気" "めげず、あせらず、あきらめず！"です。
"やっぱり、これだね！"ということになりました。
なあんだ、と思われる方がいるかもしれません。しかし実際新規開拓がスムーズに進んで成功している営業部隊は、何はともあれみんな"明るく、元気"で活気があって、気持ちいい。コミュニケーションも円滑です。少々の失敗にもへこたれない雰囲気があります。
一方、うまくいっていない営業部隊の大半は"暗く、じめじめ"の雰囲気を漂わせている。営業リーダーがいても、（いるから？）みんなバラバラでどこかよそよそしい。うまくいっていないからそうした雰囲気になることもあるでしょう。しかしそのことで、なおさらうまくいかなくなっている、と思えて仕方がないのです。
あなたの営業部隊は、どちらでしょうか。とても大事なことなんです。
そこで、こんな事例から始めたいと思います。
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《事例：ある新規開拓のコンサルティング場面にて》
「こんなに頑張っているのに、もっと頑張れというんですか！？」
地方の業務用設備や部品を扱っている卸問屋のＬ社のことです。私はその会社のトップ
から、これまでの既存客中心の営業活動を転換し、新規開拓を重点的に進めるための依頼を受けました。そこで各セクションで軸になる中堅営業担当者へのヒヤリングからはじめることにしたのです。
いままでは既存客営業中心であっただけに、お客様から言われることにまじめに誠実に対
応する、という営業スタイルを身に付けた営業マンが多い印象でした。一方それだけに新規開拓には懐疑的な者が多く、それでも会社から方針が出されたので、渋々やらなければならないと思っているようでした。実際どうやったらいいのかわからないからとまどっている、というのも本音だったように思います。
そのヒヤリング中で一人の中堅営業マン（主任）のＢ君が、不満を前面にあらわして、ぼ
そっとこう言ったのです。
「こんなに頑張っているのに、もっと頑張れというんですか！？」
その言葉を聞いた私は驚いて、彼にその真意を尋ねました。
彼はこう言いたかったようです。
「僕たちはこれまで既存客に対する営業を一生懸命やってきた。確かに業績が厳しいかもしれないが、それは僕たちの責任ばかりじゃあない。むしろ景気が悪くて、お客様の購買意欲が落ちていることが、なによりの原因だ。
会社は新規開拓をしろと言うが、既存客の営業でもこんなに厳しいのに新規開拓を簡単にできる訳がない。会社は僕らがこんなに既存客で頑張っているのを全然わかっていない。ただ新規開拓しろと安易に言っているだけだ。これ以上頑張れと言われても、正直そんな気になれない！（その事を上司に言って下さい！）」
多分こうした考えは、彼だけではないでしょう。
「こりゃあ、まずい！」
私は、Ｌ社に新規開拓活動そのものよりも、それ以前の「意識」の問題が大きいことを
感じざるを得ませんでした。そこで彼に次のように言ったのです。
「何勘違いしているの！
確かに会社としては、今新規開拓が必要になっている。だから方針として掲げている。
でも新規開拓は会社のためだけじゃあない、むしろ自分のためにやるんだよ！
だって新規開拓が出来たら、既存客営業も含め、きみの営業力は間違いなくパワーアッ
プする。ビジネスマンとして飛躍できるんだ。その結果として、会社にも貢献できることになる。
そもそもこれからの縮小マーケット時代、どの業界でも新規開拓が出来る営業こそ求め
られているし、高い存在意義があるんだ！
そんな時に、会社としても新規開拓をやれと言っている。むしろありがたいことだよ。
こんないいチャンス、逃しちゃあもったいない！そう思わないか。」
彼は、始めはその言葉にビックリし反発しながら半信半疑の様子でした。しかしお互い
に本音で話し合ううち打ち解けていき、最後は私の言うことも、ようやくわかってもらえたようでした。不満をストレートにぶつけてくれるのは、むしろありがたいものです。
幸いなことにＬ社では、トップの新規開拓にかける思いがしっかりしていましたので、あらためて会社や営業メンバーみんなにとっての新規開拓の意味をしっかり説明してもらうことが出来ました。そのことで、営業の皆さんのマイナス意識をだいぶ払拭することができ、やる気を持たせて新規開拓活動を進めていく事が可能になりました。
ちなみにＢ君はその後、新規開拓活動の率先役になってくれ、大きな成果を上げてくれた
のです。
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―リーダーは営業のマイナス思考を取り除き、勇気づけよう！―
何たる勘違いでしょうか。
こんなふうに新規開拓活動を後ろ向きのマイナス発想で受け止めている営業担当者が実
は多いのです。特にＬ社のように既存客営業を中心に順調にやってきた（過去の？）優良
企業の営業部隊に、そうした傾向が強い様に思います。既存客の今のお客様に誠実に対応
するということにまじめなだけ、新しいお客様に向かうことが難しくなっているのです。
これでは、いくらトップや営業リーダーが「新規開拓」をスローガンに掲げても、うま
くいかないでしょう。
リーダーのあなたは、こんな言い方をされていないでしょうか。
「業績がこんなに落ち込んでは、既存客だけでは会社はやっていけない。
だから（従来の楽で儲かる）既存客営業だけでなく、（大変で非効率な）新規開拓をやらなければならなくなった。
（嫌かも知れないが、・・）これは命令だ！」
業績悪化⇒だから、しかたなく〝新規開拓"
「・・強引にでもやれ！」
気持ちはわかりますが・・これでは、やる気なんか出る訳がないし、うまくいくわけがない。
後ろ向き、マイナス発想の営業マンを叱って強引に新規開拓をやらせるのは簡単です。でもそれでは間違いなく新規開拓は失敗し、ますますマイナス意識を煽るだけになってしまう。そんなマイナス意識が蔓延するのは営業マンではなく、むしろトップや営業リーダーのあなたの責任と思ってほしいのです。
何が一番大事かと言えば、トップやリーダーのみなさんさえ持っている、このマイナス発想を180度転換させること！このことが、何より大事なんです。
トップ・リーダーの皆さんには、次のことを繰り返し営業担当者のみんなに伝えてほしいのです。
新規開拓⇒まさに、お客様に喜んでいただくことを広めていく仕事、
営業の使命であり、なにより素晴らしい仕事である！
今こそ会社を飛躍させ、自分を飛躍させるチャンスだ！
こんなワクワク楽しく、面白いことはない！
ここから新規開拓活動は始まるんだ、と思ってください。
そこで、次の『新規開拓ウェイ』をみんなで確認しましょう。
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【新規開拓ウェイ】
―新規開拓は素晴らしい仕事―
①新規開拓は素晴らしい仕事
なぜなら・・
⇒お客様に喜んでもらえることを、新たに広めていくのが目的である。
だから、（大変だが）お客様に喜んでもらえ、感謝してもらえる、
こんな有意義な、価値ある仕事はない！
②新規開拓は素晴らしい仕事
なぜなら・・
⇒"人を動かす"能力が高まり、ビジネス人として自分を飛躍させてくれるチャンス。
だから、（しんどいが）
お客様を動かし、周囲を動かす醍醐味を味わうことができ、
こんなありがたい、充実した仕事はない！
③新規開拓は素晴らしい仕事
なぜなら・・
⇒自分で知恵を出し汗かいて、自分の力で自分の成果を上げる仕事である。
だから、（障害も多いが）自分でやったという達成感を味わうことが出来、
こんな嬉しい仕事はない！
④新規開拓は素晴らしい仕事
なぜなら・・
⇒ビジョンを掲げてお客様を巻き込み、一緒に未来を切り開く仕事である。
だから、（正解はなく、トライアンドエラーの繰り返しだが・・）
新しい出会いがあって、感動があって・・
こんなにワクワク楽しい仕事はない！
そこで切り開いた人脈と成果は、
未来への、あなたのかけがいのない財産となるだろう。
新規開拓は、会社のため（だけ）じゃあない！
お客様のためであり、社会のためであり、
何より、自分のためである
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうでしょうか。反対の人は？
いない。ならみんなで、ここから新規開拓をスタートさせましょう
【宿題①】：
以上の『新規開拓ウェイ』を営業担当者全員に配布して、皆さんで議論してください。そ
して４つの項目の一つ一つをあらためて皆さんの胸にしっかり受け止めてもらいましょ
う。（自分たちの言葉で書き換えてもいいでしょう。）そして忘れないためにみんなの見え
るところに貼り出し、毎日唱和しましょう。
以上
参考ブログ：
・「『実践：新規開拓を絶対成功させる』営業研修プログラムのお勧め」
http://cbc-souken.co.jp/cbc/2012/03/post-17.html
尚、２０１３年９月１８日（水）１０：００～１６：４５
りそな総研にて「新規開拓を絶対成功させる！やりかたはこれだ！」セミナー
を予定しています。ふるってのご参加をお待ちしています。
https://www2.rri.co.jp/seminar/tokyo/pdf/13-09-07.pdf
追伸：
新規開拓のやり方や困っていることへの質問をお待ちしています。
当ブログへの感想やご質問でも結構です。
弊社ホームページの質問欄にご記入ください。
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㈱クリエイティブビジネスコンサルタンツ 総合経営研究所
(略称：CBC総研)
代表取締役 山川 裕正
住所：東京都千代田区神田佐久間町２－２５第二千代田ビル3F
FAX:03-5835-2072
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